佐野研二郎氏がアートディレクターを務めた多摩美術大学の広告にGLAFAS(グラファス)の写真が使用されたかも?という件について検証してみた- GLAFAS(グラファス)

佐野研二郎氏がアートディレクターを務めた多摩美術大学の広告にGLAFAS(グラファス)の写真が使用されたかも?という件について検証してみた

佐野研二郎氏がアートディレクターを務めた多摩美術大学の広告にGLAFAS(グラファス)の写真が使用されたかも?という件について検証してみた

多摩美術大学の広告に使用されたと思われる GLAFAS(グラファス)が撮影・掲載した写真。

「佐野研二郎氏がアートディレクターを務めた多摩美術大学の広告に、GLAFAS(グラファス)に掲載されている写真が使われている」という匿名情報を受け、当サイト GLAFAS(グラファス)は、8月31日(月)に以下の記事を掲載した。

佐野研二郎氏がアートディレクターを務めた多摩美術大学の広告にGLAFAS(グラファス)の写真が使用された?

この件は、佐野研二郎氏が手がけた多摩美術大学の広告と GLAFAS(グラファス)の写真との類似性を比較・検証する画像・映像とともに、テレビやスポーツ紙、ネットメディアでも報じられた。

9月3日(木)には、J-CASTニュースが以下の記事を掲載した。

佐野氏デザイン、疑惑の数は金メダル級? 今度は多摩美大「広告」、事務所は「事実無根」 : J-CASTニュース

佐野研二郎氏が代表を務める MR_DESIGN の広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対して、「ご指摘の画像を無断流用したというのは事実無根」「メガネの画像については、この作品を担当したスタッフが実際使っていたメガネを撮影し制作したものです」と語っている。

また、佐野研二郎氏が手がけた広告は、多摩美術大学ホームページに掲載されていたが、9月3日(木)にページごと削除された。

こうした流れを踏まえ、GLAFAS(グラファス)でも、佐野研二郎氏が手がけた多摩美術大学の広告と GLAFAS(グラファス)の写真との類似性を比較・検証してみたい。

メガネは左右対称とは限らない

メガネフレームは、顔の形、掛け心地の好み、見た目のバランス、レンズを通した際の見え具合などに配慮し、メガネ店のスタッフの手により、掛けるひと一人一人に合わせて調整される。

GLAFAS(グラファス)を運営するさくらヒロシは、メガネ店で16年間働き、数多くのメガネフレームを調整してきた。その経験から、顔の形は本当に人さまざまで、左右対称とは限らないことを身をもって知っている。

佐野研二郎氏がアートディレクターを務めた多摩美術大学の広告にGLAFAS(グラファス)の写真が使用された?

という記事でも触れたが、佐野研二郎氏がアートディレクターを務めた多摩美術大学の広告との類似性が指摘されている GLAFAS(グラファス)の写真は、さくらヒロシが私物を撮影し掲載したものである。

この写真のメガネは、鼻パッド(鼻あて)やテンプル(つる)、レンズのウズが左右対称ではない。さくらヒロシの顔が左右非対称で、右と左で視力(度数)がかなり異なるからだ。

調整可能な鼻パッド(鼻あて)は、向かって右のほうが外側に開いている。また、テンプル(つる)は、向かって右のほうが曲がりが深く、レンズのウズは、向かって右のほうが多い。

調整可能な鼻パッド(鼻あて)は、向かって右のほうが外側に開いている。また、テンプル(つる)は、向かって右のほうが曲がりが深く、レンズのウズは、向かって右のほうが多い。

以下の記事に掲載されている画像など(※)を見ると、佐野研二郎氏が手がけた多摩美術大学の広告と GLAFAS(グラファス)の写真は、鼻パッド(鼻あて)やテンプル(つる)の形状、レンズのウズの出方が一致しているように見える。

【衝撃画像】佐野研二郎作の多摩美大のポスター、な ん と メガネブランド『zoff』の写真と完全に一致wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww|保守速報

さくらヒロシの顔立ちや視力(度数)は、多摩美術大学の広告を撮影したとされるスタッフとよく似ているのだろうか?

※日本テレビ「news every.」「NEWS ZERO」(共に9月1日)、フジテレビ「とくダネ!」(9月2日)、テレビ朝日「グッド!モーニング」「スーパーJチャンネル」(共に9月2日)でも、佐野研二郎氏が手がけた多摩美術大学の広告と GLAFAS(グラファス)の写真とを重ね合わせた比較映像が放映された。

”同じ写真”を撮ることは難しい

筆者は GLAFAS(グラファス)というメガネの情報サイトをひとりで運営しているため、メガネの写真を数多く撮影・掲載してきた。その経験から、同じメガネでも撮影環境が異なれば写りが大きく変わることを身をもって知っている。

メガネの写真を撮る上で、特に難しいと感じていることが「パース」(パースペクティブ、遠近感)だ。広角と望遠といったレンズの焦点距離、被写体に向けるカメラの角度や距離などで「パース」が異なれば、同じものも違う形に写ってしまう。

そのため、「あのときと同じようにメガネを撮影したい」と思っても、微妙な「パース」の違いで“同じ写真”を撮ることは本当に難しい。三脚にカメラを固定し、同じ型番の色ちがいを立て続けに撮影する際でさえ、メガネを置く位置に細心の注意を払わないと“同じ写真”にならないのだ。

佐野研二郎氏がアートディレクターを務めた多摩美術大学の広告との類似性が指摘されている GLAFAS(グラファス)の写真をよく見ると、左右同じであるリム(ふち)の太さやナットの大きさが微妙に異なっている。きっと、カメラがメガネに真っ直ぐ向いていなかったのだろう。

テンプル(つる)を固定するナットの大きさやリム(ふち)の太さが左右で異なっている。また、リム(ふち)にあるホコリやバリにも注目。

テンプル(つる)を固定するナットの大きさやリム(ふち)の太さが左右で異なっている。また、リム(ふち)にあるホコリやバリにも注目。

【衝撃画像】佐野研二郎作の多摩美大のポスター、な ん と メガネブランド『zoff』の写真と完全に一致wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww|保守速報

などに掲載されている比較画像を見ると、佐野研二郎氏が手がけた多摩美術大学の広告と GLAFAS(グラファス)の写真は、左右非対称に写っている部分まで一致しているように見える。

また「パース」とは無関係だが、リム(ふち)にある白い小さなホコリ(※)やバリ、レンズのウズまでもが同じように見えるのは、果たして筆者だけだろうか?

※ネット上で「キズ」という指摘があるが、実際は「ホコリ」。黒いフレームの場合、取り切れなかったホコリが特に目立ちやすい。

(左)多摩美術大学の広告との類似性が指摘されている写真を撮影した1ヶ月ほど前に、別のメガネを撮影した際の様子。多摩美術大学の広告との類似性が指摘されている写真も、ほぼ同様の方法で撮影している。 (右)このとき撮影したメガネの写真。

(左)多摩美術大学の広告との類似性が指摘されている写真を撮影した1ヶ月ほど前に、別のメガネを撮影した際の様子。多摩美術大学の広告との類似性が指摘されている写真も、ほぼ同様の方法で撮影している。
(右)このとき撮影したメガネの写真。

メガネは”オンリーワン”、“同じメガネ”は存在しない

フレームにレンズを入れ、掛け心地と見え具合を最大限に引き出すべく調整が施され、メガネはできあがる。

そうして顧客の手に渡ったメガネは、レンズの度数やレイアウト、調整可能なバーツの形状が、それぞれ異なる。たとえ同じ型番のフレームであっても、“同じメガネ”は1つたりとも存在しない。

ほかの誰のものでもない、顧客ひとりひとりに合った”オンリーワン”メガネをいかに仕上げるかが、メガネ店の腕の見せ所なのだ。

自分にピッタリの“オンリーワン”メガネを作ってくれるメガネ店に出会えたら、今よりメガネをもっと楽しめるだろう。

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