CONCEPT「Y」(コンセプトY) は、デザイナー 兵井伊佐男氏が強度近視の友人「Y」さんのために、度が目立たず、軽くてよく見えるメガネを作ったことから生まれたブランド。2004年には グッドデザイン賞 を受賞している。
度が目立たず、軽くてよく見える秘密は、軽くて弾力性のある素材を生かしたデザインに加えて、フレームとレンズが分離した構造になっていることで、掛けるひとの瞳孔間距離(左右の眼の間隔)にあわせてレンズを最適な位置に、必要最小限の大きさで作ることができることにある(写真1)。
(写真1)CONCEPT「Y」(コンセプトY) は、レンズの固定位置を自由に設定することができるので、レンズの中心と瞳の中心を合わせて作ることができる。また、レンズのカタチもオーダーすることができる。
度が強いのが目立たないメガネを作るには、レンズを小さくすることが一番だ。そうすることで近視・遠視にかかわらず、レンズを薄く仕上げることができるのだ。レンズが薄くなれば、ふちからはみ出す量が減るだけでなく、渦も目立ちにくくなる。
さらに、レンズ越しに見える目元の印象が変わりにくいのも、レンズの小さいメガネのメリットだ。近視のひとの場合には度数が強いほど目元が小さく見える。また、遠視のひとの場合には度数が強いほど目元が大きくなってしまう。
こうしたことも他人から見られたときに度が強いという印象を与えてしまうのだが、レンズの小さいメガネならそれをカバーできるのだ。
しかし、ただレンズを小さくしてしまうと、見た目のバランスが悪くなるほか、視界がとても狭くなってしまう(写真2)。
(写真2)左右の眼の間隔が広いひとが、小さなレンズのメガネを掛けたイメージ。
そこで、レンズを小さくして、かつ視界を広くするためには、レンズの中心と瞳の中心を合わせてあげるのがベストなのだ(写真3)。
(写真3)レンズの中心と瞳の中心を合ったメガネなら、見た目のバランスもよく、十分な視界も得られる。
CONCEPT「Y」 (コンセプトY)は、掛けるひとにあわせてレンズを最適な位置にあわせて作ることができるので、顔の幅や左右の目と目の間隔に関係なく、どんなひとにもレンズの小さなメガネを作ることができるのだ。
小さなメガネのメリットは度が目立たないことだけではない。意外だと思うひとも多いかもしれないが、実はレンズが小さいメガネほど見やすいのだ。
レンズというものは中心がいちばん見やすく、端にいくほどぼやけたり歪んだりして見え方が悪くなるので、レンズが小さいメガネはいちばんよく見えるところだけを抜き出したとも言えるのだ。
また、レンズを小さくすることで軽くなるので、掛け心地がいいことも見逃せない。さらに、テンプル(つる)の長さやレンズシェイプ、全体のサイズなどもオーダーすれば、より掛け心地のよい、自分だけのオリジナルメガネを手に入れることができる。
CONCEPT「Y」 (コンセプトY)の参考価格は3万円台半ばからとなっている(フレームのみ、レンズ代は別途)。
(写真4)CONCEPT「Y」(コンセプトY) の一例。カタチやサイズ、カラーをオーダーすることができる。
※2011年6月27日 写真の追加・変更、加筆修正しました。
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