すでにご存じの方も多いと思うが、メガネレンズの価格はメガネ店によって異なる。なぜなら、メガネレンズには定価(メーカー希望小売価格)が存在しないからだ。
メガネ店がレンズの価格を決める要素には、大きく分けて下記の3つがある。
原価(仕入れ値)
メガネ店は、レンズメーカーからレンズを仕入れて販売している。仕入れ値は、メガネ店によって異なる。一般に、大手メガネチェーンは個人店などに比べて、仕入れ値が安い。
技術料
レンズの料金には、メガネを作る際におこなう視力検査(検眼)や、レンズをフレームに入れる加工に対する技術料が含まれている。
保証制度
多くのメガネ店では、度数が合わない場合に一定の期間内ならば、無料でレンズの交換をする保証制度を設けている。その保証のリスクもレンズの料金に含まれている。
メガネレンズは出荷段階では半完成品
メーカーから出荷された段階では、メガネレンズはいわば半完成品だ。使うひとの目や使用目的に合わせてフレームに入れることで、はじめてメガネとして機能する。さらに、掛け具合をきちんと調整(フィッティング)しなければ、性能を発揮しきれないのだ。
視力検査(検眼)やレンズ加工、調整(フィッティング)といった技術は、メガネ店の腕の見せ所だ。メガネ店と買う側とのコミュニケーションや相性も含めて、メガネ店の技術力には少なからず差が存在する。
技術を高いレベルで提供するには、手間と時間と人手が掛かる。メガネレンズの価格が決まる要素としては、レンズの原価(仕入れ値)以上に、技術料と保証制度に大きな差があると言える。
レンズが高いメガネ店とは
老舗の高級チェーン店などレンズの価格が高いメガネ店は、技術が高く、保証も充実していると自負していると考えられる。
実際に、老舗の高級チェーン店では、メガネを作る際にきめ細やかなコンサルティングをして、視力検査(検眼)もじっくりとおこなうところが多い。さらに、受け取り時の調整(フィッティング)にも時間を掛けて、万一見え方が合わない場合にも丁寧かつ誠実な対応をするメガネ店が多い。幅広い客層に対して柔軟な対応ができるのが、老舗の高級チェーン店が持つ大きな強みだ。