メガネ店 Zoff(ゾフ)は、新作フレーム「グラデーション・メガネ(Gradation 2010)」を3月20日に発売した。
ルビーやサファイア、ムーンストーンといった宝石のカラーをベースに、サイドにかけてグラデーションをほどこしたアクセサリー感覚のデザインとなっている。
フレームの生地には「世界最大手を誇るイタリア一流メーカー」(筆者注:マツケリー社?)のものを使用。グラデーションは一つ一つ手作業で色を付けて仕上げるというこだわりよう。
レンズシェイプはオーバル(だ円形)とスクエアの2タイプ。各16色で、合計32バリエーション。価格は標準レンズ込みで 5,250円となっており、2009年に発売された「8unit」シリーズや 1月に発売された「カオイロ・カクメイ」 シリーズ同様、デザインの割にコストパフォーマンスが高いメガネに仕上がっている。
「グラデーション・メガネ(Gradation 2010)」の発売に合わせて、テレビCMを放映しているほか、公式サイトでは特集ページをアップ。おすすめコーディネートを男女別に掲載している。
ファッション性で勝負しつづける Zoff(ゾフ)
同価格帯のメガネ店 JINS(ジンズ)では、超軽量素材 TR-90 を使い、掛け心地の良さを全面的にアピールした Air frame(エア・フレーム)が大人気だ。その高い機能性は一般ユーザーにとって魅力が大変分かりやすく、今の時代にマッチしているので、大ヒットしているのも大いにうなずける。筆者も Air flame を持っているが、日本人の顔立ちを考えたデザインもあって、軽くて掛け心地が良いことは実感している。
それに対して、Zoff(ゾフ)はあくまでデザイン性・ファッション性で勝負し続けている。どちらのブランドも商品の企画・製造・販売まで自社で手がける SPA(製造小売業)であるが、アプローチは異なっているのだ。
JINS(ジンズ)が素材や機能性をアピールしているのはユニクロに似ている。事実、JINS(ジンズ)の田中社長は、ユニクロの柳井社長から直に話を聞くなど、ユニクロから強く影響を受けており、次のように語っている。
やっぱりうちが目指しているのは本当にいい眼鏡を作りたいということなんですよ。どこよりもいい眼鏡を作りたい。どこよりもいい、というのがあって、次にファッションがくるんです。
(http://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/series/ogawa/20091125_330982.html)
さらに、「史上最低価格というか品質に見合う最適価格の提供」を目指していきたいと語っているあたり、JINS(ジンズ)はメガネ界のユニクロを本気で目指しているようだ。
それに対して Zoff(ゾフ)は、今回の「グラデーション・メガネ(Gradation 2010)」だけでなく、メイクカラーからヒントを得た「カオイロ・カクメイ」やクラシカルなデザインを再現したシリーズなど、ファッション性やトレンドを意識した商品を展開している。
メガネにとって機能性が大事なことは間違いない。しかし、必要最低限の機能性を求めつつも、ファッションアイテムとしてメガネを選び、掛けたほうが、メガネをより楽しめるはずだと筆者は考える。
これからも Zoff(ゾフ)にはファッション性で勝負し続けていってほしい。