超薄型レンズを選んでも追加料金0円(※)という安さで人気のメガネ店 JINS(ジンズ)の看板商品 Air frame(エア・フレーム)が、2009年9月の発売以来、累計販売本数100万本を突破したことが明らかになった。
軽くて掛け心地がいいというわかりやすいアピールポイントと抜群のコストパフォーマンス、自社の看板商品と位置づけて店頭のみならず、各種メディアで積極的にPRしたことなどが、メガネ業界でも異例のヒット商品となった理由であろう。
Air frame(エア・フレーム)とは
Air frame(エア・フレーム)は JINS(ジンズ)が2009年9月より販売しているオリジナル商品。
医療器具などに使用される樹脂素材 TR-90 の軽くて弾力性が高いという特性と、日本人の顔や頭のカタチ・大きさを研究したデザインによる軽さと掛け心地のよさと、レンズ込みで4,990円という安さで人気を集めている。
3月1日(火)より第4弾となる新シリーズが発売されることもあり、今後もますます人気や注目を集めそうだ。
JINS(ジンズ) Air frame(エア・フレーム)第4弾 「メンズ ウェリントン」 カラーブロック。価格:7990円(レンズ代込み)。image by JINS
メガネ業界では異例の大ヒット
Air frame(エア・フレーム)が累計販売本数100万本を突破(2011年1月15日現在)したことは、メガネ業界では異例中の異例とも言える大ヒットだ。
ダイヤモンド・オンラインの記事によれば、眼鏡市場や alook(アルク)を展開する業界トップのメガネトップは年間販売本数が約200万本。しかし、メガネトップの各業態では自社オリジナルに加えて、他社からの仕入れ商品も販売しているので、単一商品の売り上げはそれほど大きくない。
また、JINS(ジンズ)と同じ価格帯のメガネ店 Zoff(ゾフ)は、2008年に年間販売本数103万本を記録しているが、あくまで会社全体での本数であり、単一商品では100万本にはとてもおよばない。
わかりやすいセールスポイントと抜群のコストパフォーマンス
「軽くて掛け心地がいい」という、メガネユーザーなら誰もが気になることをセールスポイントとしてわかりやすくアピールしたことも、Air frame(エア・フレーム)が大ヒットしている理由だ。
例えば、JINS(ジンズ)の公式サイトでは「わずか、10g」という具体的な数字を挙げて軽さをアピールしているほか、スイス生まれの素材 TR-90 の特性を生かした「驚きの弾力性」を画像を交えてわかりやすく伝えている。
JINS(ジンズ)の公式サイトでは10gという具体的な重さや、こんなに曲げることができることをわかりやすくアピールしている。
また、「軽くて掛け心地のいい」にもかかわらず、レンズ込みで4,990円から、しかも超薄型レンズを選んでも追加料金0円(※)という安さも、Air frame(エア・フレーム)が大ヒットの理由として挙げられる。
安いメガネでは重くて掛けづらいのではないか?機能性に劣るのではないか?という不安を払拭することに成功したと言えよう。
価格の安さとわかりやすさも JINS(ジンズ)の人気の理由だ。
メガネ業界では異例の「看板商品」
Air frame(エア・フレーム)が100万本を突破した理由として、JINS(ジンズ)が Air frame(エア・フレーム)を自社の「看板商品」を位置づけたことも見逃せない。
店頭はもちろんのこと、テレビCMや各種メディアでも「看板商品」として積極的にPRしたことが、Air frame(エア・フレーム)の大ヒットにつながったのだ。
2010年9月にAir frame(エア・フレーム)の第3弾が発売されたときには、原宿店と名古屋大須店にて無料サンプリングを開催。当日は雨にもかかわらず、早朝から Air frame(エア・フレーム)を求めて多くの人々が集まり、話題となった。
2010年9月16日に JINS(ジンズ)原宿店で開催された Air frame(エア・フレーム)無料サンプリングの様子。1,000人に Air frame(エア・フレーム)が無料で配布された。
また、オダギリジョーさんと栗山千明さんを起用したCMも放映。「私、軽い男になります」「私、軽い女になります」というキャッチコピーも話題を呼び、Air frame(エア・フレーム)の知名度アップにつながった。
競合他社が続々と追随
Air frame(エア・フレーム)の大ヒットを受けて、レンズ込みの格安価格で販売しているほかのメガネ店でも、軽さと掛け心地のよさを売りにしたフレームを発売しており、今やメガネ界でのブームと言えるほどの状況となっている。
これらのフレームは Air frame(エア・フレーム)と同じ TR-90 もしくは同等の素材を使い、デザインを工夫することで軽さと掛け心地のよさをアピールしている。メガネ業界にとっては Air frame(エア・フレーム)の影響力が強かったようだ。
こうしたフレームはメガネユーザーの注目を集めているようで、眼鏡市場の FREE FiT(フリーフィット)は一時期生産が追いつかず品薄になるほどの売れ行きを記録している。
眼鏡市場 FREE FiT(フリーフィット)。「超軽量・超弾性ポリアミド樹脂」を使うだけでなく、各部に工夫を施すことで Air frame(エア・フレーム)との差別化を図っている。
価格:15,750円(レンズ込み)。image by メガネトップ
Zoff(ゾフ)新作メガネ Super Fit(スーパー・フィット)。テンプル(つる)には超弾性素材 TR-90 を使ったことで、抜群の弾力性を誇る。価格:9,450円(標準レンズ込み)。image by 株式会社インターメスティック
メガネスーパーの新作メガネフレーム「Air Fit」。image by メガネスーパー。
alook(アルク)の新メガネフレーム AKALK(アカルク) 。このフレームで使われている素材 TR-90 は透明感の高さも魅力。
[出典]http://www.alook.jp/akalk/
経済界からの賞も受賞
Air frame(エア・フレーム)の大ヒットは経済界からも評価され、日本経済新聞社が主催する「2010年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経MJ賞」を受賞している。
さらに、Air frame(エア・フレーム)だけでなく、レンズ込みで4,990円で超薄型レンズを選んでも追加料金0円(※)という、これまでのメガネ業界の常識を破るビジネスモデルなどが評価されて、雑誌「経済界」が主催する「第36回 経済界大賞」のベンチャー経営者賞を JINS(ジンズ)を運営するジェイアイエヌの社長 田中 仁氏が受賞している。
(※ 遠近両用レンズは+5,000円、カラーレンズは+2,000円の追加料金がかかる。)
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JINS(ジンズ)とは
JINS(ジンズ)は、4,990円・5,990円・7,990円・9,990円の4プライス展開。全てレンズ代込みで、超薄型レンズを選んでも追加料金なしという、業界最安値水準で人気のメガネ店。
同じ価格帯の Zoff(ゾフ)同様、企画・製造・販売まで自社で一括して手がける SPA 業態により低価格を実現。リーズナブルな価格も含め、季節や気分、シーンや目的に合わせて“着替える”アイウエア・ライフを提案している…【続きを読む】