メガネメーカーのデザイン室勤務を経て、現在は日本デザイン専門学校の講師も務めるデザイナー 丸山正宏氏が手がけるメガネブランド MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ)が、10月11日(火)より東京ビッグサイトで開催されたアジア最大級のメガネ展示会 IOFT でデビューした。
ファーストコレクションのテーマは「Dessin(デッサン)」。手で描いたラフデザインの要素を落とし込んだ、未完成であるがゆえの自然で美しいフォルムがとても魅力的だ。
MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0001
MM-0001(写真1・2)はいわゆるウェリントンタイプ。しかし、手描きの「未完成」なラインをあえてそのまま生かした、暖かみのあるメガネに仕上がっている。
一般的なメガネは左右対称であるのに対して、MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ)のファーストコレクション「Dessin(デッサン)」は左右非対称。フレーム全体のラインはもちろん、レンズ外側やテンプル(つる)根元の金具までもがアシンメトリーになっている。
(写真1)MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0001 カラー:No.1(ブラック)を正面から見たところ。
(写真2)MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0001 カラー:No.1(ブラック)を斜めから見たところ。
MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0002
MM-0002(写真3・4)はよりレトロなレンズシェイプが魅力的。手描きの風合いを残したラインと相まって、より味わい深いデザインとなっている。
(写真4)のように斜めから見るとよくわかるのだが、左右のレンズをつなぐブリッジと呼ばれる部分をフラットに仕上げてあるのもポイント。クラシカルなデザインのメガネは、たいていブリッジを山形に仕上げてあるのだが、今回のコレクションではあえてフラットにすることで、モダンさと個性を与えることに成功している。
(写真3)MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0002 カラー:No.2(ハバナB)を正面から見たところ。
(写真4)MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0002 カラー:No.2(ハバナB)を斜めから見たところ。
MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0003
MM-0003(写真5・6)は、ファーストコレクション「Dessin(デッサン)」の中ではいちばんシャープなカタチだが、手描き風かつ左右非対称なラインが持つ暖かみが加わることで、ひと味違う仕上がりとなっている。
また、手描き風のラインは目で見るだけでなく、手で触れることでもその味わいを楽しめる。ファーストコレクション「Dessin(デッサン)」のフレームを手に取ると、まるで陶器を持っているかのような感触が手に伝わってくるのだ。
(写真5)MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0003 カラー:No.5(ベージュ)を正面から見たところ。
(写真6)MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ) MM-0003 カラー:No.5(ベージュ)を斜めから見たところ。
「未完成」のモノを「完成」させるのは熟練の職人技
手で描いたラフデザインの要素を落とし込んだ「未完成」のデザインを「完成」させているのは、熟練の職人技だ。
(写真7)MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ)公式サイトより。
(出典)http://masahiromaruyama.com/Products2.html
MASAHIROMARUYAMA(マサヒロマルヤマ)のフレームは、世界的なメガネ産地である福井県鯖江市にある、ていねいな作りと技術の高さで定評がある老舗の工場で作られている。
「unfinished art(未完成のアート)」というコンセプトのもと、「Dessin(デッサン)」というテーマで作られたアシンメトリーなデザインをカタチにできたのは、老舗の工場と、そこで働く熟練の職人の技のおかげなのだ。
そして、見た目のデザインだけでなく、フレーム全体のバランスやメガネとしての機能性もまた、職人の技によって見事に両立されている。