超軽量7g Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)新作メガネ Antitension EVO(アンチテンション エボ)
- 配信日 2012.01.17
- 最終更新日 2015.05.16
- さくらヒロシ(メガネ情報サイトGLAFAS編集長)
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デザインディレクターの川崎和男氏が手がけるメガネブランド Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)の新作フレーム Antitension EVO(アンチテンション エボ)は、素材にポリフェニルサルホン(PPSU)というスーパーエンジニアリングプラスチック(以下スーパーエンプラ)を使用した意欲作。
これまで培ってきた技術に加えて、ポリフェニルサルホン(PPSU)の特性を最大限に活かしたことで、わずか7gという軽さと驚きの復元力、ストレスのない掛け心地を実現している。
注目の素材 ポリフェニルサルホン(PPSU)とは
(写真1)Antitension EVO(アンチテンション エボ)に使われている素材 ポリフェニルサルホン(PPSU)は、驚きの柔軟性を誇る。
image by 増永眼鏡
Antitension EVO(アンチテンション エボ)に使われている素材であるポリフェニルサルホン(PPSU)とは、スーパーエンプラと呼ばれるもののひとつ。強度や弾力性、耐熱性に優れるほか、アレルギーフリーで耐薬品性にも優れることから、医療器具やほ乳びんなどにも使われている(表1)。
JINS(ジンズ)の Air frame(エア・フレーム)をはじめとした「軽量メガネ」にこれまで多く使われている素材 TR-90(ポリアミド)と比べると、ポリフェニルサルホン(PPSU)は約2倍の弾力性があり、復元力にも優れている。そのため、フレームを薄く作ることができるため、重さはわずか7gと超軽量に仕上がっている。
ナイロン(ポリアミド) | ポリフェニルサルホン | |
耐熱温度 | -20℃~-60℃ | -100℃~-200℃ |
曲げ強度 | 750Kg | 970Kg |
曲げ弾性率 | 1800×10Kg | 2500×10Kg |
(表1)TR-90 に代表されるナイロン(ポリアミド)とポリフェニルサルホン(PPSU)との特性の比較。
比較データ提供:ソルベイアドバンストポリマーズ(株)
また、ポリフェニルサルホン(PPSU)は耐熱性が高いだけでなく、紫外線にも強いので、TR-90 に代表されるナイロン(ポリアミド)製のフレームの5倍ほど色落ちや劣化しにくい素材だという。
Antitension EVO(アンチテンション エボ)のデザインは2タイプ
(写真2)Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ) Antitension EVO(アンチテンション エボ) MP-920 カラー:#19 BK(ブラック)を正面から見たところ。希望小売価格:18,900円(フレームのみ)。
Antitension EVO(アンチテンション エボ)は、ほどよくシャープなラインが魅力の MP-920(写真2~7)と、緩やかな弧を描いたソフトなラインの MP-921(写真8・9)の2タイプ。
いずれも、Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)がブランド誕生当初から採り入れている、レンズにテンション(圧力)がかからないように設計された Anti Tension(アンチテンション)機構を受け継いでいるのがポイントだ。
(写真3)Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ) Antitension EVO(アンチテンション エボ) MP-920 カラー:#19 BK(ブラック)を斜めから見たところ。希望小売価格:18,900円(フレームのみ)。
メガネというものは、かけると顔の幅に合わせてフレームが広がるのだが、その際にレンズにテンション(圧力)がかかると、レンズが歪んだりして見え方に影響をおよぼすことがある。
しかし、Anti Tension(アンチテンション)機構を採用した Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)のフレームなら、レンズにテンション(圧力)がかからないので、いつでも快適な視界を得ることができるのだ。
具体的に言うと、Antitension EVO(アンチテンション エボ)の場合、左右のレンズをつなぐブリッジと呼ばれる部分にあるピンによって、レンズがフレームから独立したかたちで固定されていることで、レンズにテンション(圧力)がかかることを防いでいる。
(写真4)Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ) Antitension EVO(アンチテンション エボ) MP-920 カラー:#35 NAVY(ネイビー)を正面から見たところ。希望小売価格:18,900円(フレームのみ)。
(写真5)Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ) Antitension EVO(アンチテンション エボ) MP-920 カラー:#35 NAVY(ネイビー)を斜めから見たところ。希望小売価格:18,900円(フレームのみ)。
Antitension EVO(アンチテンション エボ)のもうひとつのポイントは、カムテール理論から生まれたデザインだ。
カムテール理論とは、「液体の中を進む最も効率の良い形とされる「魚類」のような流線型の物体の場合、その後端を切り落としても抵抗はほとんど増加しない」とされる、カム博士の理論に由来するもの。1970年代には、空力性能の良さを形でアピールするカムテールを取り入れる車が相次いで現れた。
Antitension EVO(アンチテンション エボ)は、このカムテール理論からインスピレーションを受け、スーパーエンプラの特性を最大限に生かし、スポーティーさと軽さを実現。装着時の一体感を追求している。
(写真6)Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ) Antitension EVO(アンチテンション エボ) MP-920 カラー:#47 DRED(レッド)を正面から見たところ。希望小売価格:18,900円(フレームのみ)。
(写真7)Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ) Antitension EVO(アンチテンション エボ) MP-920 カラー:#47 DRED(レッド)を斜めから見たところ。希望小売価格:18,900円(フレームのみ)。
JINS(ジンズ)や 眼鏡市場といった格安メガネ店が、軽くて弾力性の高いプラスチックを使ったメガネフレームを続々とリリースして人気を集めているなか、Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)のようなブランドが、ポリフェニルサルホン(PPSU)というスーパーエンプラの素材を活かした Antitension EVO(アンチテンション エボ)をリリースしたことは、筆者としてはとても興味深い。
Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)の掛け心地のよさには定評があるが、Antitension EVO(アンチテンション エボ)の掛け心地も極上。Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)のファンのひとはもちろん、本当に掛け心地のいいメガネや、最先端のメガネをかけてみたいというひとには要チェックだ。(写真8)Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ) Antitension EVO(アンチテンション エボ) MP-921 カラー:#23 BRN(ブラウン)を正面から見たところ。希望小売価格:18,900円(フレームのみ)。
(写真9)Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ) Antitension EVO(アンチテンション エボ) MP-921 カラー:#23 BRN(ブラウン)を斜めから見たところ。希望小売価格:18,900円(フレームのみ)。
Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)とは
Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)は、医学博士にして世界的な工業デザイナーである川崎和男氏のデザインによるもの。製造は、日本屈指の技術力を誇るフレームメーカー 増永眼鏡。
Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)のコンセプトは「スマート&ハイテクノロジー」。パーツを最小限に絞り込み、人間工学に基づく、機能性とデザイン性を見事に両立させたフレームを作り続けている…【続きを読む】
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