東京・西荻窪にある glass工房602 は、店内の工房で手作りされた木製フレームが人気のメガネ店。雑誌「散歩の達人 2012年2月号」に掲載されたのを機に、その人気にさらに拍車がかかっている。
より多くのひとが訪れるようになったことを受けて、これまで採り入れていなかった技法を用いたものやトレンドを意識したデザインなど、バリエーションがさらに充実していると聞き、見せてもらうべく足を運んでみた。
表情豊かな丸メガネ
まずご紹介するのは、シンプルな丸メガネ。しかし、クルミと黒檀を貼り合わせて作られているので、見る角度によって印象が変わる、表情豊かなフレームに仕上がっている(写真1・2)。
もともと優しいイメージのある丸メガネだが、木で作られることによりさらに優しく、味わい深いものになっている。
(写真1)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製丸メガネ。
クルミと黒檀を貼り合わせてあり、表情豊かな仕上がり。【クリックして拡大】
(写真2)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製丸メガネ。
テンプル(つる)の表側に配された黒檀の色が、横顔を引き締めてくれる。【クリックして拡大】
続いて、丸メガネをもうひとつご紹介(写真3・4)。まず目を奪われるのは、ゼブラウッドの美しい木目だ。
さらに注目なのは、あえて金属を用いて作られたテンプル(つる)。波打ったようにデザインされているのは見た目のためだけでなく、バネ性を持たせてソフトな掛け心地を得るためだ。また、テンプル(つる)の根元に使われている黒檀が、ほどよいアクセントとなっているのもポイント。
なお、金属と木のパーツとの接合には、2枚の木材の間に金属パーツをはさみ込むという手の込んだ技法が使われている。
(写真3)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製丸メガネ。
ゼブラウッドの木目が美しい。【クリックして拡大】
(写真4)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製丸メガネ。
波打ったようなデザインのテンプル(つる)も魅力的。【クリックして拡大】
象嵌(象眼)の技法を使ったオーダーメイドフレーム
glass工房602 では、木製フレームをオーダーして作ることもできる。(写真5・6)のフレームもオーダーメイドフレームのひとつだ。
まずは、正面から見たときの黒檀とカエデの色のコントラストがとても印象的。実はこのフレーム、かなりサイズが大きいのだが、真ん中に黒檀を持ってくることで、引き締まって見えるようデザインされている。
さらに、テンプル(つる)の表側にも黒檀が使われており、横顔を引き締めるアクセントとなっている。
(写真5)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製オーダーフレーム。
黒檀とカエデとの色のコントラストが印象的。【クリックして拡大】
(写真6)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製オーダーフレーム。
黒檀とカエデを組み合わせることで表情豊かな仕上がりに。【クリックして拡大】
また、このフレームで見逃すことができないのは、テンプル(つる)の内側には、象嵌(象眼とも呼ばれる)という技術を用いて、クジラのモチーフが埋め込まれていること(写真7)。こうしたモチーフがあることで、このメガネを掛けるひとはさらに愛着が増してくるのではないだろうか。
(写真7)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製オーダーフレームに埋め込まれたモチーフ。【クリックして拡大】
トレンドのウェリントンやボストンも
これまで glass工房602 では、木製フレームをより多くのひとに「普通」に掛けてもらいたいという思いから、比較的小ぶりな顔になじみやすいデザインが多かった。
しかし、雑誌「散歩の達人 2012年2月号」に掲載されたことなどで、これまでよりも多くのひとが訪れるようになり、ウェリントンやボストンといったトレンドを意識したデザインも作り始めている。
ウェリントンタイプ(写真8・9)は、ローズウッドとオークを貼り合わせたツートン仕上げ。今や定番のウェリントンも木のツートンとなれば、一般的なセル(プラスチック)とはひと味違う、個性あふれるメガネとなっている。
(写真8)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製ウェリントンメガネ。
ローズウッドとオークの組み合わせがおしゃれ。【クリックして拡大】
(写真9)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製ウェリントンメガネ。
見る角度によって異なる表情を見せてくれるのもうれしい。【クリックして拡大】
ボストンタイプはサングラス仕様(写真10・11)。こちらはあえて、カエデのみでシンプルに作られている。もちろん、度付きにして、メガネとして使うのもおしゃれ。
(写真10)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製ボストンサングラス。
あえてシンプルにカエデのみを使用。【クリックして拡大】
(写真11)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製ボストンサングラス。
もちろんメガネとして使うのもアリ。【クリックして拡大】
価格は30,000円くらいから、オーダーメイドもできる
(写真12)東京・西荻窪にある glass工房602 の外観。
glass工房602 では、「木でできたフレームをもっと多くのひとに一般的なものとして掛けてもらいたい」という思いから、木製メガネフレームを30,000円くらいから手に入れることができる(※)。ほかのところでは100,000円以上するものも多いので、この値段は破格と言える。
このくらいの値段なら、セル(プラスチック)やメタルという一般的な素材のものとともに、木のフレームも選択肢に入れることができるだろう。
※素材やデザインによって値段は異なる。
(写真13)東京・西荻窪のメガネ店 glass工房602の木製丸メガネ。【クリックして拡大】
また、店頭には完成品が展示されているものの、glass工房602 で木製フレームを手に入れるひとの大半は、自分の好みに合わせてオーダーするのだという。
とはいえ、見本が何もない状態ではイメージしにくいことから、まっさらな状態からオーダーするひとは少なく、店頭に並べられたフレームを元に「ここをこうしたい」といった感じで注文するひとが多いとのことだ。
そうして自分好みにオーダーして作ったメガネは、きっと愛着のわくものとなるに違いない。
glass工房602(グラスコウボウロージー)
glass工房602では、木製フレームのほか、セル(プラスチック)やメタルフレームのオーダーもできる。詳細は以下から。
お店データ
- 住所:東京都杉並区西荻北3-17-8
- 最寄り駅:西荻窪
- 電話:03-5382-1062
- 営業時間:10:00~20:00(月~金)、10:00~19:30(日祝)
- 定休日:第1水・第3水
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