メガネチェーン最大手の三城は1月29日(水)、都内で記者発表会を開催し、遠近両用メガネレンズを最短翌日に受け取ることができる新サービス「24G(トゥエンティーフォー・ジー)」を、2月10日(月)より開始することを発表した。
遠近両用メガネレンズは、メーカーに在庫がなく、メガネ店からの注文を受けてから作製されるため、出来上がりまでに1週間程度かかっているが、「24G」なら14時までの注文なら翌日に遠近両用メガネを受け取ることができる。
「日本初 遠近両用レンズが翌日納品。24G(トゥエンティーフォー・ジー)」
「24G」により、「旅行に掛けて行きたい」、「メガネが壊れてしまった」といった場合でも、新しいメガネをすぐに手に入れられるほか、インバウンド客(訪日外国人観光客)も度付きレンズを購入しやすくなる。
これまで1週間以上だった遠近両用レンズの納期が、「24G」なら24時間に短縮。それにより、インバウンド需要にも対応する。
「24G」のサービス開始にあたり、三城は東京・葛西にレンズ製造工場を設置。この工場は、最新鋭の機械を導入により、学校の教室ほどの広さという省スペース化を実現。完全受注生産でレンズの研磨からコーティング、フレームへ入れる加工までをおこない、遠近両用レンズをはじめ、単焦点レンズ(近視・遠視・乱視用)、ブルーライトカットレンズ(※1)、偏光レンズ(※2)などの翌日納品を可能としている。
イスラエルのレンズメーカー「シャミール」との業務提携により設立されたレンズ製造工場「シャミールジャパン TOKYO」では、顧客ひとりひとりの度数に合わせてオンデマンド、完全受注生産でレンズを加工。
レンズを研磨する際には専用の治具で固定するが、一般的な工場では合金でレンズを固定するのに対して、シャミールジャパン TOKYOでは特殊な接着シートでレンズ前面を固定。そのため、研磨の際のブレが最小限に抑えられ、高い精度を実現しているという。
レンズ表面に施す反射防止コーティングは、1回4枚までの少量で加工される。大量生産する工場では5時間ほどかかる工程が、シャミールジャパン TOKYOではわずか10分。均一でムラのないコーティングが可能とのこと。
この工場は、Oakley(オークリー)などに代表される、特殊な形状のスポーツサングラスにも対応している(※3)。特殊な形状のスポーツサングラスに入れるレンズは、加工をメーカーに依頼するケースが多く、その場合1週間以上の納期がかかるが、「24G」なら注文した翌々日に受け取ることも可能となっている。
スポーツサングラスに使用される、湾曲が大きなハイカーブレンズにも、「24G」は対応。見え方の違和感を軽減するプリズム補正も施される。
価格は単焦点レンズが30,000円(税別)から、遠近両用レンズが40,000円(税別)からで、パリミキの東京都内36店舗(※4)と、三城ホールディングスの子会社である金鳳堂(京橋本店・首都圏百貨店メガネサロン13店舗)にて、2月10日(月)より販売を開始する。
24G 商品ラインナップ
24G 単焦点レンズ | 価格(2枚1組 税別) | |
Sクラス | フラッグシップモデル(保証プラン付) | 80,000円 |
Cクラス | インディビジュアルモデル | 60,000円 |
Aクラス | スタンダードモデル | 30,000円 |
24G 遠近両用レンズ | 価格(2枚1組 税別) | |
Sクラス | フラッグシップモデル(保証プラン付) | 120,000円 |
Cクラス | インディビジュアルモデル | 100,000円 |
Hクラス | カスタムモデル | 60,000円 |
Aクラス | スタンダードモデル | 40,000円 |
「24G」は、三城とイスラエルのレンズメーカー SHAMIR(シャミール)と業務提携により生まれた。三城はシャミールとの業務提携で、シャミールが開発した高性能特注メガネレンズの翌日納品サービス「InoTime」を日本国内で展開する独占的権利を取得。レンズ素材や品質基準など、日本市場に向けて共同開発を進めてきた。日本人はひとつのメガネを長く大切に使う傾向にあることから、ホコリや花粉が付きにくく、キズや汚れに強いコーティングを標準装備するなど、長く使えるレンズを開発したという。
シャミールは1972年に創業。アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパを中心に世界22ヵ国に展開し、従業員は約2,500人。
遠近両用レンズ翌日納品サービス「InoTime」は、カナダ、イタリア、フランス、ポルトガル、シンガポール、ニュージーランドで展開。日本では「24G」が初のサービス開始となる。
「24G」は、2月10日(月)にパリミキの都内36店舗、金鳳堂の13店舗でサービスを開始し、3月にはパリミキの神奈川・埼玉・千葉の各店舗、4月以降に全国へ展開を広げる計画で、初年度売り上げは4億円を目標としている。また、「24G」のレンズ全体の売り上げにおける割合は数%、インバウンド客の購入は月に数百件程度を見込んでいる。
「24G」の売り上げは初年度4億円、2年目6億円、3年目7億円、4年目8億円、5年目10億円を目標としている。
(左)三城ホールディングス 代表取締役社長 澤田将広氏
(右)SHAMIR社 CEO Yagen Moshe氏
「24G」のアンバサダーには、お笑い芸人のダンディ坂野が起用された。キャッチフレーズは「24時間でゲッツ!」。
脚注
※1:ブルーライトとは、パソコンやスマートフォンなどの液晶画面から多く発せられ、まぶしさやチラつきなどの原因になるとされる青色光のこと。ブルーライトをカットするレンズが入ったメガネは「PCメガネ」とも呼ばれ、度付き・度なしともに販売されている。
※2:偏光レンズは、さまざまなものに反射して生じる光を取り除き、クリアな視界が得られるのが特長。ギラつきやまぶしさを減らし、視界のコントラストを高めてくれるので、釣り・スポーツ・日中のドライブなど、幅広いシーンで効果を発揮する。
※3:形状により対応できないものもある。