大手メガネチェーンが5月7日(木)までに発表した、2020年4月の売上高(速報値)は、前年比で大幅に減少した。3月の売上高も前年比を大幅に下回っていたが、4月はさらに大きく減少している。
4月7日(火)に政府が発表した緊急事態宣言を受け、商業施設に入っている店舗を中心に多くの店舗が営業自粛していることや、営業を続けた店舗でも営業時間を短縮していること、外出自粛の要請により客足が大幅に減少したことなどが影響したとみられる。
愛眼の売上高は、既存店ベースで44.7%減、全店ベースで47.9%減となった。
愛眼では、一部店舗にて臨時休業および営業時間を短縮しているが、メガネは生活必需品であるとして、営業できる店舗では可能な限り販売を続けている。
JINS(ジンズ)を展開するジンズホールディングスの売上高は、既存店ベースで74.5%減、全店ベースで72.3%減となった。緊急事態宣言が出された翌日の4月8日(水)から196店舗で営業を自粛し、4月30日(木)には356店舗の営業を自粛していたことを、売上減少の理由として挙げている。
ジンズホールディングスは、新型コロナウイルスの影響により、5店舗の出店を延期したほか、4月30日(木)には雑貨事業からの撤退を発表した。
パリミキやメガネの三城などを運営する三城ホールディングスの売上高は、既存店ベースで45.2%減、全店ベースで46.5%減となった。この数値は、(株)三城および(株)金鳳堂の国内小売り売上高の合計値で算出されている。
5月8日(金)現在、パリミキ・メガネの三城では全国の79店舗が臨時休業中(土日のみ臨時休業などの店舗も含む)、金鳳堂では京橋本店を除く店舗が臨時休業している。
メガネスーパーなどを展開するビジョナリーホールディングスの売上高は、既存店ベースで17.7%減、全店ベースで21.5%減となった。EC部門は前年比12.8%増となっている。
メガネスーパーでは5月8日(金)現在、商業施設に入っている26店舗が臨時休業しており、路面店を含む一部店舗で営業時間を変更している。メガネは生活必需品であるとの考えのもと、安全確保を最優先した上で、店舗運営を継続していくとしているほか、「出張訪問サービス」、「店舗への無料送迎」、「お買い物代行」などのサービスもおこなっている。
ゴールデンウィーク明け以降、各社とも営業を再開する店舗が増えてきているものの、まだ多くの店舗が臨時休業や営業時間を短縮しており、大手メガネチェーンの売り上げは、今後も厳しい状況が続くと予想される。