大手メガネチェーンが6月5日(金)までに発表した、2020年5月の売上高(速報値)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、前年比で大幅に減少した。
4月に発令された緊急事態宣言を受け、各社とも多くの店舗で営業を自粛していたが、ゴールデンウィーク以降、徐々に営業を再開。緊急事態宣言が5月25日(月)に解除されて以降、営業を再開する店舗が増えたことから、5月の売上高の前年同月比に対する下げ幅は、4月に比べてやや減少している。
愛眼の売上高は、既存店ベースで53.3%減、全店ベースで53.7%減となった。
JINS(ジンズ)を展開するジンズホールディングスの売上高は、既存店ベースで51.1%減、全店ベースで47.5%減となった。ジンズホールディングスは、緊急事態宣言を受けて、最大360店舗の営業を自粛していたが、5月末時点で365店舗の営業を再開した。5月の31日間全て営業していたのは44店舗、そのうち既存店は40店舗で、既存店40店舗の売上高は前年比1.6%減となった。
パリミキやメガネの三城などを運営する三城ホールディングスの売上高は、既存店ベースで47.1%減、全店ベースで48.5%減となった。この数値は、(株)三城および(株)金鳳堂の国内小売り売上高の合計値で算出されている。
メガネスーパーなどを展開するビジョナリーホールディングスの売上高は、既存店ベースで17.7%減、全店ベースで22.0%減となった。EC部門は前年比7.4%増となっている。メガネスーパーは、他社に比べて営業を自粛した店舗が少なかったことから、前年比に対する下げ幅が少ないものと思われる。
5月25日(月)に緊急事態宣言が解除され、大手メガネチェーン各社とも、営業を自粛していた店舗のほとんどが営業を再開したため、6月は売上の回復が期待できる。
しかし、新型コロナウイルスの「第2波」への懸念や雇用環境の悪化などから、個人消費
の回復には時間がかかるとの見方もあり、大手メガネチェーンの売り上げは、今後も厳しい状況が続くと予想される。