全国の有力メガネチェーン店の販売実績を調査した結果によれば、メガネを買ったひとの98.3%がプラスチックレンズを選んでおり、単焦点と呼ばれる近視・遠視・乱視・老眼用のレンズでは8割以上のひとが薄型・超薄型のものを選んでいることが分かった。
この調査結果から、度が目立たない、軽くて掛けやすいメガネを求めているひとが多いことがうかがえる。
ガラスレンズのユーザーはわずか1.7%
(図1)ガラスレンズを使っているひとは全体のわずか1.7%。
ユーザーが購入したレンズの内訳を見てみると、98.3%のひとがプラスチックレンズを選んでいる(図1)。ということは、ガラスレンズを使っているひとはわずか1.7%に過ぎない。メガネは軽い方がいいというユーザーが多いことや、メガネ店もガラスレンズを積極的に販売していないことが理由として考えられる。
また、プラスチックレンズの内訳は、単焦点レンズ(近視・遠視・乱視・老眼用)が78.5%、境目のない遠近両用レンズが17.1%、二重焦点と呼ばれる境目のある遠近両用レンズが2.7%となっている。遠近両用レンズだけみてみると、9割近くが境目のないタイプとなっており、いまや遠近両用レンズといえば境目がないものがスタンダードだと言える。
7割以上のひとが薄型・超薄型レンズ
(図2)8割以上にのひとが薄型・超薄型レンズを選んでいる。
単焦点レンズ(近視・遠視・乱視・老眼用)をさらに詳しく見てみると、7割以上のひとが薄型・超薄型レンズを購入している(図2)。度が目立たない、軽いメガネを求めるひとが多いことが読み取れる。
全体の45.9%を占めていて、一番人気があるのは屈折率1.60の薄型レンズ。幅広い度数のひとに対応できる薄さと軽さ、熱や衝撃に強いことなど性能のバランスがよく、コストパフォーマンスが高いことが人気の理由だろう。
そして、25%のひとが超薄型レンズを選んでいる。なかでも、屈折率1.67が薄型レンズ全体の6割以上を占めているが、屈折率1.67が一番人気なのはコストパフォーマンスが高いからだろう。これ以上薄くなるレンズを選んで、効果が実感できることは意外と少ないのだ。
また、屈折率が1.60よりも低いレンズは、色がにじんで見えることが少ないなどレンズとしての性能が高い部分もあるのだが、厚さや重さが出やすいためか人気が高いとは言えないようだ。
遠近両用レンズはやっぱり高い?
(図3)遠近両用レンズでは、外面累進と呼ばれる最も価格が安いものが大半を占めている。
遠近両用レンズは一般ユーザーにとってはまだまだ値段が高いものなのだろうか?境目のない遠近両用レンズの内訳を見てみると、外面累進と呼ばれる最も価格が安いタイプが79.3%と圧倒的なシェアを占めている(図3)。
技術の進歩や差別化、単価アップのために、レンズメーカー各社は内面累進や両面累進と呼ばれる遠近両用レンズを販売しているが、値段が高いためか全体の2割強しか売れていない。
内面累進・両面累進レンズはリーズナブルな外面累進に比べて視界が広く、違和感も少ないのが特徴だ。特に、両面累進タイプはユーザーの度数や左右の目の間隔、選んだフレームに合わせてオーダーメイドで作られるものもあり、値段は高いが使い心地はとても快適だ。
とはいえ、遠近両用レンズは単焦点レンズ(近視・遠視・乱視・老眼用)よりも価格帯の幅が広く、メガネ店によっては最高ランクのものは10万円以上の価格がついているので、手が届きにくいのかもしれない。