オーストリアの人気メガネブランド Silhouette(シルエット)が製造開発に協力した3Dメガネが、韓国のサムスン電子より発売されることが明らかになった。
サムスン電子のブログによると、この3Dメガネは重さ28gと世界最軽量。人間工学に基づいたデザインにより、軽くて快適な掛け心地を実現している。
さらに、ワイヤレスで自動的に充電される機能や、掛け外しするだけで自動的にスイッチがオンオフする機能が搭載されているほか、度付きレンズを取り付けることもできる優れものだ。
この3Dメガネは1月6日(木)よりアメリカ・ラスベガスで開催される世界最大級の家電展示会 CES 2011 で初お目見えされる。
世界最軽量!28g
これまでの3Dメガネと比べて10g以上軽くなり、28gという3Dメガネとしては世界最軽量を実現することができたのは、オーストリアのメガネブランド Silhouette(シルエット)の代表作 Titan Minimal Art(チタン・ミニマル・アート)の技術を生かしたからだ。
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Titan Minimal Art(チタン・ミニマル・アート)はその名の通り軽くて丈夫なチタン素材を生かしたふちなしフレームで、ネジを一切使用していないのが特徴。人間工学に基づいたデザインによる頭を優しく包み込むような軽くてしなやかな掛け心地と、機能美あふれるデザインで人気を集めている。
無重力状態でもしっかり顔にフィットし、ネジがないのでメンテナンスの手間がかからないことが評価され、Titan Minimal Art(チタン・ミニマル・アート)は 2000年に NASA(アメリカ航空宇宙局)に採用。2005年にはアメリカのスペースシャトル「ディスカバリー」号の搭乗クルーが実際に使用しているのだ。
28gという軽さだけでなく、人間工学に基づいた機能美あふれるデザインも魅力。
軽やかな掛け心地の秘密
この新しい3Dメガネはただ軽いだけではなく、鼻になるべく負担がかからず、メガネが下がりにくいようにデザインされている。
3Dメガネで最も重くなる器械部分とバッテリーをテンプル(つる)の先端部に配置することで、前後の重心バランスを50:50に設計。加えて、頭を包み込むようなデザインにより、鼻にかかる重さが軽くなり、メガネが下がりにくくなっているのだ。
メガネフレームにおいて前後の重心バランスはとても重要。同じ軽さのメガネでも重心が前、つまりレンズ側に重心が向いていると掛けると重く感じて、下がりやすくなってしまうのだ。
その重心バランスの重要性に着目し、見た目にも美しく仕上げたこの新しい3Dメガネは、大変素晴らしいものだと思う。
また、鼻あてが交換できるのも見逃せないポイント。子どもにもフィットするので、わざわざ子ども用の3Dメガネを買わずに済むのがうれしい。
テンプル(つる)の先端部に器械部分とバッテリーを搭載。頭を包み込むようなデザインと相まって、これまでの3Dメガネとは異なる快適な掛け心地を実現している。
度付きレンズも取り付けできる
この新しい3Dメガネは度付きレンズを取り付けることもできるのは、メガネユーザーにとっては朗報だ。
従来の3Dメガネの場合、ふだんのメガネの上にさらに3Dメガネを掛ける必要があるが、度付きレンズを装着できることでメガネがひとつで済むので、メガネユーザーも快適に3Dテレビを楽しむことができそうだ。
すでにサムスンは、2010年秋に世界初となるメガネユーザーのための「度付き3Dメガネ」を発表している。
サムスンが2010年秋に発表した「度付き3Dメガネ」。男性が右手に持って目にかざしているのが度付きレンズの入ったフレーム。このフレームを3Dメガネに取り付けることで、度数が必要なひとも「ひとつのメガネ」で3Dテレビを楽しめる。女性が手にしている3Dメガネには、内側に度付きレンズの入ったフレームが見える。
[出典] 삼성전자, 안경 착용자 편의 위한 '3D 도수 안경' 출시 | News from SAMSUNG
置くだけで充電、自動的にオンオフ
この3Dメガネには専用充電器の上に置くだけで充電することができる「Wireless Charge Ready」機能が搭載されている。コードなどをつなぐことなく充電することができるのは簡単でとても便利だ。
さらに、この3Dメガネには電源スイッチがついてない。というのも、ユーザーがメガネを掛けているかどうかを検出して、電源を自動的にオンオフする「Auto Power On / Off」機能がついているからだ。いちいち電源をオンオフする手間が省けるだけでなく、無駄に電気を使わないのがうれしい。
日本での発売は難しい?
サムスンはテレビ市場において世界ではトップシェアを誇っているが、2007年に日本市場から撤退している。そのため現在のところ、この記事で紹介した3Dメガネを日本で手に入れることはできないのが、筆者としては残念だ。
NTTドコモから発売されたサムスンのスマートフォン GALAXY S が注目を集めているが、3Dテレビ市場でも世界のトップシェアを獲得しているサムスンの3Dテレビとともに今回紹介した3Dメガネが日本でも手に入るようになることを筆者は期待している。
日本市場での3Dテレビの売り上げはメーカーが期待しているほど伸びていないようだが、日本メーカーももっと快適な3Dメガネや「度付き3Dメガネ」を開発すれば、少なからず売上の後押しになるのではないだろうか。
関連リンク:国内メーカー各社の3Dメガネ
Panasonic 3D VIERA(ビエラ)3Dメガネ TY-EW3D10W
- 重さ:63g
- 電源:コイン型リチウム電池 CR2032
見た目のデザインは立体感のある仕上がり。ノーズパッド(鼻あて)が2種類と専用バンドがついてくる。
SHARP 3D AQUOS(アクオス) 3Dメガネ AN-3DG10
- 重さ:65g
- 電源:コイン型リチウム電池 CR2032
カラーは写真のブルーのほかに、レッドとシルバーもラインアップ。
TOSHIBA 3D REGZA(レグザ) 3Dメガネ FPT-AG01(J)
- 重さ:61g
- 電源:コイン型リチウム電池 CR2032
メガネの上から掛けられる「ワイドフレーム設計」を採用。ノーズパッド(鼻あて)は2段階に調節できるほか、子どもや顔の小さいひとのために固定バンドもついてくる。
三菱 3D REAL(リアル) 3Dメガネ EY-3DGLLC1
- 重さ:49g
- 電源:コイン型リチウム電池 CR2032
重さ49gは国内最軽量クラス。2種類の鼻あてがついてくる。
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※2011年1月4日 20:24 加筆しました。