3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は各地で大変な被害をもたらしていますが、メガネやコンタクトレンズが必要なひとにとっては、もしものときにメガネやコンタクトレンズがないと、大変困ってしまうと思います。
まだ余裕のあるひとは、もしものときに備えて、以下のような準備をしておくことをおすすめします。
まずはメガネを枕元に
寝ているときに地震が起こることに備えて、寝るときには枕元のなるべく安全かつすぐに手が届くところに、メガネを置いておきましょう。そうすれば、すぐにメガネを掛けて、必要な行動を取ることができます。
非常持ち出し袋にメガネを
予備のメガネや複数のメガネを持っているひとは、非常持ち出し袋の中にメガネを入れておきましょう。そうすれば、メガネを忘れることもありませんし、もしもメガネが壊れた場合にも対応できるでしょう。
メガネを点検しておく
メガネが壊れて困ってしまうことをなるべく防ぐために、メガネ屋さんに行って、メガネの点検をしてもらうと安心です。
ネジがゆるんでいないか?ナイロールと呼ばれる下もしくは上半分ふちなしのタイプなら、レンズを固定する糸がゆるんだり弱ったりしていないか?など、メガネ屋さんに持っていけば、点検や修理、パーツの交換など、できる限りのことをしてくれるはずです。
安いものでもいいので予備のメガネを用意しておく
予備のメガネを持っていないひとは、もしも余裕があれば、安いものでもかまわないので、予備のメガネを用意しておくことをおすすめします。
例えば、alook(アルク)やCoolens(クーレンズ)、 JINS(ジンズ)、Zoff(ゾフ)といったメガネ店では、レンズ込みで5,000円くらいからメガネを買うことができます。もしものときの予備と考えるのなら、追加料金のかかる薄型レンズなどを選ばずに、いちばん安いものでも十分だと思います。また、老眼鏡なら、出来合いのものでもいいのでもいいと思います。
コンタクトレンズを用意しておく
使い捨て、または定期的に交換するタイプのコンタクトレンズを使っているひとは、いつもよりも余裕を持って、多めにコンタクトレンズを用意しましょう。そして、コンタクトレンズを非常持ち出し袋に入れておくと安心です。また、保存液や洗浄液を使っているひとは、それらの予備も忘れずに。
できれば一日使い捨てタイプのコンタクトレンズがおすすめ
もしものときに断水などが起こるかもしれないことを考えると、毎日のケアが大変なので、非常持ち出し袋に入れておくのは、できれば一日使い捨てタイプのコンタクトレンズがいいと思います。
ただし、一日使い捨てタイプのコンタクトレンズが使えるかどうかは、眼科医によく相談してください。
しかし、手に入れるには時間がかかる
大手コンタクトレンズメーカー各社に電話取材してみたところ、メーカーによっては配送部門が被災しているところもあるほか、道路や停電の状況により、通常よりも手に入るまでに時間がかかると回答しています。
「アキュビュー(ACUVUE)」(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
配送部門が被災しているので、コンタクトレンズの出庫が遅れています。
販売店に在庫があれば、すぐにその場で受け取ることができますが、取り寄せの場合には、通常よりも手に入るまでに時間がかかります。
また、公式サイトには「緊急のお知らせ」として、コンタクトレンズの出荷が遅れる旨が掲載されています。
ボシュロム
配送部門が被災しているため、コンタクトレンズの出荷ができなくなっています。
販売店に在庫があれば、すぐにその場で受け取ることができますが、取り寄せの場合には、現在のところ、いつ手に入るかは不明で、通常よりも手に入るまでに時間がかかります。
また、公式サイトには、3月13日付で「東北地方太平洋沖地震による出荷・配送への影響に関するお知らせ」が掲載されています。
チバビジョン
配送・交通状況や停電による影響のため、取り寄せの場合、いつ手に入るかは不明で、通常よりも手に入るまでに時間がかかります。
メニコン
配送・交通状況の影響で、取り寄せの場合には、現在のところ、どのくらい日にちがかかるかは不明で、通常よりも手に入るまでに時間がかかります。
シード
配送・交通状況の影響で、取り寄せの場合には、現在のところ、どのくらい日にちがかかるかは不明で、通常よりも手に入るまでに時間がかかります。
まずはお店に相談を
メガネやコンタクトレンズをなるべく早く手に入れるには、早めにお店に行って、相談することをおすすめします。
コンタクトレンズは上記の通り、各社とも取り寄せの場合、通常よりも手に入るまでに時間がかかりますし、メガネのレンズについても、メーカーによっては手に入るまでに時間がかかるところもあるようです。
とはいえ、メガネのレンズもコンタクトレンズも、お店に在庫があれば問題ありませんし、在庫のない場合でも、できる限りの対応をしてくれるお店が多いと思います。
被災した方々への寄付・提供は?
被災した方々の中には、メガネやコンタクトレンズがなくて困っているひともいるのではないでしょうか。
そこで、大手コンタクトレンズメーカー各社に、被災した方々へコンタクトレンズを提供できるかどうか?電話で聞いてみました。
各社の回答は、以下の通りです。
「アキュビュー(ACUVUE)」(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
「コンタクトレンズには眼科医の診断と処方が必要で、眼科医の診断なしに合っていないものを提供したときのリスクを考えると、被災した方々にコンタクトレンズを提供することはできません。また、ジョンソン・エンド・ジョンソンとしては、バンドエイドなどの提供を社内で検討しています。」
ボシュロム
「被災した方々へのコンタクトレンズの提供は、配送部門が被災していることもあり、現時点ではお答えすることはできません。しかし、被災した方々へコンタクトレンズを提供してほしいという要望があったことは、会社の上層部に伝えます。」
チバビジョン
「現時点では被災地に物資を送ることはできないので、今すぐに被災した方々へコンタクトレンズを提供することはできません。しかし、過去に災害の被災地へコンタクトレンズを提供した実績があります。現在のところは未定ですが、今後、今回の地震で被災した方々へコンタクトレンズを提供する可能性はあります。」
「被災した方々への支援については、現在のところ未定です。」
「コンタクトレンズは食料や生活用品などとは違い、医療機器のため、被災した方々へ提供することはできません。」
被災された方々へのメガネの提供をお願いしました
簡単にいつでも度数を調整できるメガネ adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)。
いつでも簡単に度数を調節できるメガネ adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)というものがあります。
adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)は、近視と遠視に対応していて、災害などの緊急時などに多くのひとが利用できる優れものです。2月にパシフィコ横浜で開催された「震災対策技術展」に出展されるなど、防災グッズのひとつとして、行政などによる備蓄が期待されています。
今回の地震に被災された方々の中には、必要とされるひとがたくさんいるのではないかと思い、突然かつ勝手なお願いで申し訳ないとも思いましたが、adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)を販売しているアドレンズ・ジャパン株式会社さまに、次のようなメールを送りました。
メガネ情報サイト GLAFAS(グラファス)を運営しております さくらヒロシと申します。
突然のメールで大変失礼かと存じますが、お願いがございましてメールさせていただきます。
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、ご存じのように多くの方々が被災されています。
もしかして、すでにご検討なさっているかもしれませんが、御社の adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)を被災地の方々へ提供していただくことはできないでしょうか?
adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)を拝見して、その機能、およびコンセプトが大変素晴らしいものだと思っております。
今、まさに adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)が必要とされていると強く感じております。
私にもできることがあれば、是非とも協力させていただきたいと思っております。
突然かつ勝手なお願いで誠に申し訳ありませんが、ご検討いただければ幸いでございます。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
※ 2011年3月14日(月) 15:40追記
adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)を販売しているアドレンズ・ジャパン株式会社さまから、上記のメールへの返事が来ました。
今回の地震に被災された方々へ、どのような形で adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)、および adlens(アドレンズ)p.o.v. を提供できるかを、イギリス本社と検討しているとのことです。
今後、被災地への提供についての対応・方針が確定しましたら、アドレンズ・ジャパン株式会社さまのホームページやプレスリリースなどで発表されます。
度数調整用のダイアルを外せば、見た目もなかなかかわいい。カラーは全5色。
ここでみなさまにお願いがあります。
物流が機能していない状況の中、メガネがなくて困っている被災者の方々へ、どのようにすれば提供できるか?何か得策がありましたら、是非とも教えてください。
この下の「情報やクチコミ、GLAFAS(グラファス)へのご意見・ご質問をお聞かせください」のフォーム、または Twitter( @glafascafe )を通じて、教えていただけると助かります。
新潟県中越地震でメガネがなくて困ったひとの体験談。
新潟県中越地震でのメガネ業界の取り組み
「眼鏡(近視用・遠視用)113組、既成老眼鏡55組、補聴器20台、化粧品(ミニセット)320個、ドリンク503本を無料でお渡し」
「1ヶ月間新潟県からの修理品を無料にて修理」
災害時にはコンタクトレンズのほうが有利?
「2004年11月、新潟県中越地震災害で、県の眼科医会は1日使い捨てレンズを無料で配布しました。眼鏡は左右の度の組み合わせがありますから作り置きはできません。さらにレンズをフレームに固定する作業が必要です。コンタクトレンズは自分の度とベースカーブさえ覚えていれば、レンズさえ供給されればすぐに装用できるので、このような非常事態に対応しやすいと思います。」
非常持ち出し袋にもメガネを
「メガネは、避難のとき忘れやすい」
「目が悪いので眼鏡やコンタクトの替えは持ち出さねばと思っています。震災にあわれた方が、眼鏡がなくて店もなく困ったとおっしゃっていました。実際、中越地震では仮設住宅で眼鏡屋さんがいち早く営業を再開されていました。」
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