減災用品としての普及を目指す「非常事態用救急メガネ」 adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)
- 配信日 2012.02.06
- 最終更新日 2013.02.08
- さくらヒロシ(メガネ情報サイトGLAFAS編集長)
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災害などの緊急時に向けて発売中の「度数を自分で調節できるメガネ」 adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)が、2月2日(木)・3日(金)にパシフィコ横浜で開催された「震災対策技術展」に、昨年に引き続き出展された。
東日本大震災の発生以降、防災への意識が高まっていることや、メディアでも紹介されていることから、adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)は、昨年以上に注目を集めていた。
adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)を販売するアドレンズ・ジャパンは、「非常事態用救急メガネ」と銘打ち、災害が起こったあとの被害を少しでも減らす「減災用品」としての必要性を訴え、さらなる普及を目指していくという。
自分で簡単にいつでも、何度でも度数が調節できる
(写真1)簡単にいつでも、何度でも、度数を調整できるメガネ adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)。
[出典]http://adlensjapan.co.jp/product_emergensee/
adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)(写真1)は、災害などの緊急時や、一時的なスペア用のメガネとして開発されたもの。
厚みの形状が異なるふたつのレンズが左右それぞれに組み合わされているのが、最大の特徴。左右のレンズの両端にあるダイアルを動かすことで、工具を使うこともなく、いつでも簡単に度数を調整できるのだ(写真2)。
(写真2)adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)のレンズの仕組み。(上)度なし。(中)近視。(下)遠視。
[出典]http://adlensjapan.co.jp/product_emergensee/
対応する度数は近視の-6.00から遠視の+3.00までとなっているので、かなり多くのひとが災害などの緊急時などに使うことができる。近視や遠視のメガネとしてはもちろん、老眼鏡としても使えそうだ。
また、何度でも度数の調整ができるので、多くのひとと共用できるのが大きなポイントだ。
普通のメガネはレンズの度数が固定されているため、使えるひとが限定されてしまうが、adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)なら、ひとつのメガネで多くのひとの役に立つので、災害などの緊急時への備えとしてはうってつけなのだ。
その機能性の高さや独自性が評価され、adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)は、「グッドデザイン賞」や「アジア イノベーション アワード」を受賞している。
- 2011年度 グッドデザイン賞 メガネ関連の受賞結果まとめ
- 度数を自分で調節できる災害用メガネ adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)がアジア イノベーション アワード2011の金賞を受賞
「非常事態用救急メガネ」
(写真3)adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)のパンフレット。「非常事態用救急メガネ」というキャッチコピーが印象的。image by アドレンズ・ジャパン
adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)を販売するアドレンズ・ジャパンは、新たなパンフレット(写真3)を作成し、2月2日(木)・3日(金)にパシフィコ横浜で開催された「震災対策技術展」のブースで配布していた。
このパンフレットでは、「非常事態用救急メガネ」というキャッチコピーが印象的だ。
アドレンズ・ジャパンでは、2011年1月に adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)を発表して以来、地震などの災害が発生したときに、メガネやコンタクトレンズをなくす危険性や、視力を確保することの重要性について啓発活動を続けている。
また、アドレンズ・ジャパンでは、adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)を東日本大震災の被災地に1000本提供している。
- 度数を調節できるメガネ adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)が福島県、宮城県の被災地に
- 度数を調節できるメガネ adlens emergensee(アドレンズ エマージェンシー)発売、1,000本が被災地へ
この「非常事態用救急メガネ」というキャッチコピーには、災害時への備えとしてメガネが大切であることを伝えようという意志が強く感じられる。
(写真4)2月2日(木)・3日(金)にパシフィコ横浜で開催された「震災対策技術展」に出展した adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)のブース。(クリックして拡大)image by GLAFAS
「減災用品」として、さならす普及を目指す
アドレンズ・ジャパンでは、災害が起こったあとの被害を少しでも減らす「減災用品」として、「家庭」、「会社」、「地域」へと adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)を幅広く普及させることを目指している(写真5)。
(写真5)アドレンズ・ジャパンでは、adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)を「家庭」、「会社」、「地域」へとさらに普及させることを目指している。image by アドレンズ・ジャパン
アドレンズ・ジャパンによると、テレビをはじめとしたメディアでも紹介されていることから、「家庭」への普及は進んできているというが、目標は「1世帯に1本」とのこと。
すでに述べたように、adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)は、簡単に、いつでも、何度でも度数を自分で調節することができるので、「1世帯に1本」あれば、「減災用品」として大いに役に立つというわけだ。
東日本大震災が起こったときには、首都圏を中心に多くの「帰宅困難者(帰宅難民)」が発生した。アドレンズ・ジャパンでは、社員の帰宅支援などのために、adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)を企業へ備蓄することの必要性も訴えている。
また、行政や自治体に対しても、adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)を「防災用品」、「減災用品」として備蓄することも呼びかけている。
(写真6)adlens Emergency(アドレンズ エマージェンシー)の販売スタイルの一例。(クリックして拡大)image by GLAFAS
しかし、現段階では、行政やボランティア団体としては、メガネやコンタクトレンズは「個々の事情によって必要性が異なる」もの、つまり「個人」のものと考えているところが多く、「防災用品」、「減災用品」としての優先順位が低いのだという。
行政のメガネやコンタクトレンズに対する考え方については、下記の記事でも紹介している。