スポーツ時のケガから子どもの目を守るためには、スポーツメガネが効果的
- 配信日 2012.07.30
- 最終更新日 2018.08.12
- さくらヒロシ(メガネ情報サイトGLAFAS編集長)
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イギリスの健康と医学に関する情報サイト Medical News Today は、スポーツをする子どもの目をケガから守るためには、スポーツメガネを掛けることが有効だとする記事を7月29日(日)に掲載した。
この記事には、スポーツメガネを着用することで目のケガの9割が防げるとする専門家の意見をはじめ、スポーツメガネの選び方、万一目にケガをしてしまったときの対処法なども紹介されている。
スポーツ用メガネは9割のケガを防ぐ
Eye Injuries In Young Athletes Can Be Avoided With Protective Eyewear(スクリーンショット)
アメリカにあるジョンズホプキンス大学ウィルマー・アイ・インスティテュートの小児眼科医の Michael X. Repka 氏によると、保護効果のあるスポーツメガネを常に掛けていることで、目のケガの9割を防ぐことができるという。
目のケガには、まぶたや角膜へのキズといった比較的短期間で治るものから、眼内出血、目の周りの骨折など、程度はさまざまあるが、子どもの目のケガは一生影響が残ってしまったり、失明にいたることもあるという。しかも、アメリカでは、子どもの失明の原因としていちばん多いのは、目のケガだというのだ。
アメリカの国立衛生研究所によれば、目にケガをする子どもは1年間に20万人程度。その半分にあたる約10万人の子どもたちが、スポーツをしているときに目にケガをしているという。また、アメリカの疾病対策予防センターによると、入院を必要とする目のケガをしたひとの3分の1が子どもなのだというのだ。
子どもの目のケガを防ぐには?
子どもの目をケガから守るには、スポーツメガネが効果的だと Michael X. Repka 氏は言う。
なお、普通のメガネではスポーツ時に目を守ることはできないとして、度付きのメガネが必要なひとは、度付きレンズに対応したスポーツメガネを着用する必要があると指摘する。
Michael X. Repka 氏は「子どもを目のケガから守るガイドライン」として、つぎの3つを挙げている。
- 試合はもちろん練習中にも、子どもにはスポーツメガネを掛けさせる。
- 眼科医やメガネ店に相談し、スポーツ種目にあわせてベストなメガネを選ぶ。
- 子どもの目に問題がある場合には、定期的に目の検査を受ける。
また、すぐに医師の対応を求めるべき状態・症状として、次の6つを紹介している。
- 目の奥の痛みや原因のわからない頭痛。
- 目にキズを負ったとき。
- 視界に浮遊物やチラつきがあるときや、視界が部分的に失われているとき(網膜剥離の兆候とも考えられる)。
- 目の充血やかゆみ、痛みがあるとき。
- 目、または目の周りが腫れているとき。
- 目やにや涙が過剰に分泌されているとき。
さらに、調子の悪い目をこすったり、無理に目の中の異物を取り除こうとすると、目に大きなダメージを与えることにもなりかねないので、すぐに病院に行ったほうがいいと、Michael X. Repka 氏はアドバイスしている。
スポーツメガネへの理解は進んでいるが、試合での使用は要確認
競技規則|大会・試合|日本サッカー協会(スクリーンショット)
日本でも、スポーツメガネの有効性が認められ、理解が進んできているようだ。
サッカーを例として挙げてみると、日本サッカー協会の「サッカー競技規則 2011/2012(PDFファイル)」には、次のように書かれている。
最新の技術によりスポーツめがねが着用者のみならず他の競技者に対しても格段に安全になったことを考えると、主審はこのめがねの使用、特に若い競技者が使用することに対して寛容になるべきである。
(「サッカー競技規則 2011/2012(PDFファイル)」p.9)
しかし同時に、
基本的な用具以外の用具または衣服はすべて主審によって検査され、危険ではないと判断されていなければならない。
(「サッカー競技規則 2011/2012(PDFファイル)」p.9)
とも記載されていることから、試合で使用する場合には、事前に各種目の競技団体などに問い合わせするのがいいのではないだろうか。
関連リンク
子ども用スポーツメガネを取り扱っているメガネ店の一例。