花粉症対策用メガネによる子どもの顔のケガに要注意~国民生活センターが呼びかけ
- 配信日 2014.02.07
- 最終更新日 2014.02.07
- さくらヒロシ(メガネ情報サイトGLAFAS編集長)
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国民生活センターは2月6日(木)、花粉症対策用メガネを掛けた子どもが、顔にケガを負う事例が寄せられたことを受け、「子ども用の花粉防御用眼鏡の安全性」に対する注意を呼びかけた。
スポーツなどをする際には花粉症対策用メガネを必ず外させること、初めて使用する際には視界の変化などに十分慣れさせ、周囲に注意を払うことをアドバイスしている。
花粉症対策用メガネ着用時に衝突や転倒でケガした事例
PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)や「医療機関ネットワーク」には、花粉症対策用メガネを掛けた子どもがケガを負った事例が寄せられている。
事例1
7歳の娘に、花粉防御用眼鏡をインターネット通販で買って着用させていた。学校の掃除の時間に、雑巾がけをしていてつまずき顔から落ちて、眉の所を少し切り、目の近くに打撲痕ができ目が充血した。
(PIO-NET 事故発生年月:2013年5月、岐阜県・7歳・女児)
事例2
花粉症の7歳の子どもに花粉防御用の眼鏡を購入した。それをかけて登校中に転んで眼鏡と顔が接触し、縁でまぶたの上を切ってしまった。病院で12針縫う処置をされた。
(PIO-NET 事故発生年月:2013年2月、福岡県・7歳・男児)
事例3
花粉防御用眼鏡をかけていた7歳男児が、3段ある玄関ポーチで転倒し、前方の門扉に頭を打った際に花粉防御用眼鏡が左眉に食い込み、約4cmり、9針縫うけがを負った。眼鏡に損傷や変形はなかった。眼鏡にゴムなどの柔らかい素材を使用していればこのようなけがはしなかったのではないかと思う。
(PIO-NET 事故発生年月:2012年3月、広島県・7歳・男児)
事例4
7歳男児の花粉症がひどいので、ドラッグストアで花粉症用の眼鏡を昨日購入した。本日学校に着けて行ったが、体育の授業中に他の児童が走ってきて顔面にぶつかり、眼鏡の縁で左目の上を6cmくらい切り8針縫った。眼鏡の縁がゴムで覆われておらず、幅もせまい。
(PIO-NET 事故発生年月:2012年3月、福島県・7歳・男児)
事例5
花粉防御用眼鏡をかけた小5男児が運動場でぶつかり眼鏡が食い込み目の上を3針縫うけがをした。5日程前にも小3女児が軽傷を負った。最近は花粉防御用の眼鏡やゴーグル着用の子が多い。衝撃を受けた時の対策をして欲しい。
(PIO-NET 事故発生年月:2010年2月、兵庫県・小5男児、小3女児)
事例6
子ども用の花粉症用眼鏡を装着して公園で遊んでいた。ブランコで座ってこいでいる状態から立とうとしたところ、手を滑らせて前向きに落ち、眼鏡がまぶたに食い込んだ。左上まぶたに5針縫うけがをした。
(医療機関ネットワーク 2013年3月発生、5歳・男児)
事例7
野球の練習中にダイビングしてボールをキャッチしようとしたところ、スプリンクラーに前額部をぶつけた。花粉症用のゴーグルをしていたために、ガードの部分が右眉にあたり、右まぶたに長さ1cm程度、深さ4mm程度の挫創を負った。
(医療機関ネットワーク 2012年4月発生、9歳・男児)
ケガをしにくい花粉症対策用メガネとは
(写真左)「花粉防御用眼鏡の装着例」
(写真右)「通常の子ども用眼鏡の装着例」
※「写真の商品は危害事例と直接関係ありません。」
(出典)http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20140206_1.pdf
花粉症対策用メガネは、花粉が目に入ることを防ぐために、フレームの張り出しが通常のメガネよりも顔面に近くなるカタチになっている。
そのため、花粉症対策用メガネを掛けているときに衝突や点灯すると、その張り出しによりケガを負った事例が発生しているのだ。
国民生活センターで、張り出しの材質による違いがあるかを調べたところ、指で簡単に大きく変形させられる硬さの軟質樹脂の場合、皮膚に与えるダメージが軽減されたという。
また、花粉を防ぐ張り出し部分が視界を妨げることがないかを調べたところ、フレームとレンズがフラットに近い形状よりも、顔に沿って湾曲したカーブが深いもののほうが、視界への影響が少ないことが分かった。
張り出し部分に柔らかい素材を採用した花粉症対策用メガネ
2014年に新たに発売された花粉症対策メガネの中には、花粉を防ぐ張り出し部分に柔らかい素材を用いたものが見られるので、子ども用にはオススメしたい。
▼OWNDAYS 花粉 GUARD(オンデーズ カフン ガード)~花粉カット率90%以上、おしゃれな花粉症対策メガネ
OWNDAYS 花粉 GUARD(オンデーズ カフン ガード)は、
日本人に合わせたフードを採用。
顔に接触する部分にラバー素材を採用し、
目の周りのケガを軽減している。
image by OWNDAYS
▼Zoff(ゾフ)の花粉症対策メガネ AIR VISOR(エア・バイザー)~花粉カット率最大98.4%
Zoff(ゾフ)AIR VISOR(エア・バイザー)
価格:3,000円(税別)
サイズはS・M・Lの3種類で、
全26バリエーション。
Sサイズには安全性を考慮した
ラバーフードを採用。
image by インターメスティック
▼JINS 花粉Cut~花粉を最大98%カットする JINS(ジンズ)の花粉症対策用メガネ
JINS 花粉Cut for kids に
ラバー素材のガードを取り付けた状態。
image by ジェイアイエヌ
スポーツ時には外すこと、視界の変化に注意することを呼びかけ
国民生活センターは、寄せられた事例や調査結果を受けて、花粉症対策用メガネに対して以下の注意を呼びかけている。
スポーツや激しい運動などをする際には必ず外させましょう
通常の眼鏡に比べ、花粉の侵入を防ぐためのフレームの張り出しが顔に近いことから、衝突、転倒などによる激しい衝撃により、目の周りをけがする恐れがあります。スポーツや激しい運動などをする際には必ず外すよう、お子さんによく言い聞かせましょう。
初めて使用する際には視界の変化に十分慣れるようにするとともに、使用時には普段より周囲に注意を払うよう言い聞かせましょう
花粉防御用眼鏡を使用したときは、視界が変化して見えにくい部分が生じることから、特に普段眼鏡をかけていないお子さんは、足元の段差や障害物、左右から接近してくる他人等に気づきにくくなる可能性があります。転倒、衝突などによるけがを避けるため、初めて使用する際には安全な場所で視界に十分慣れるようにするとともに、使用するときは普段より周囲に注意を払うよう、お子さんによく言い聞かせましょう。
花粉症対策用メガネ まとめ
花粉症対策用メガネに関する情報をまとめてご紹介。