金沢医科大学が2014年に紫外線の強いタンザニアで調査を実施した結果、子どもの頃から眼に大量の紫外線を浴びると、眼の老化を招く可能性があることが分かった。
子どもの視力はタンザニア人のほうが良いのに対して、成人の視力は日本人のほうが良いという逆転現象が起こっているのだという。
日本人よりも眼の老化を招いている可能性としては、タンザニアは紫外線が強くメガネやコンタクトレンズを使う割合が低いため、紫外線対策が不十分なことが挙げられている。
一生の間に受ける紫外線のうち約50%を18歳までに受けると言われており(※)、子どもの頃から紫外線対策に取り組む大切さがあらためて浮き彫りとなりそうだ。
※Stern RS,J Invest Derma 2005
子どもの視力は日本よりもタンザニアのほうが良いが成人すると逆転
タンザニアの子どものうち、93.6%が裸眼視力1.0以上。近視の割合を比べると、日本人の子どもが57.6%に対して、タンザニアの子どもは4.4%で日本の約1/13。タンザニアの子どもの視力は、とても良いことが分かった。
(左)タンザニアの子どもの裸眼視力1.0以上の割合。(右)日本とタンザニアの子どもの近視の割合の比較。
(出典)http://acuvue.jnj.co.jp/corp/press/p0159.htm
だが、成人の視力を比べると結果は逆転。タンザニア人よりも日本人の方が視力が良いのだという。タンザニアでは早い段階で老眼を発症する割合が高く、50歳以上で失明または視力が極端に低下しているひとも多いとしている。
タンザニアの子どもが受ける紫外線は、日本の子どもの3倍以上
タンザニアは赤道に近いため、紫外線が非常に強く、日本(石川県)の約2倍。また、タンザニアの子どもは、戸外で過ごす時間が長く、メガネやコンタクトレンズを使う割合が低いため、眼に受ける紫外線量は、日本の子どもの約3倍以上となっている。
また、紫外線が原因のひとつとされる「瞼裂斑(けんれつはん)」を発症している子どもの割合が、日本の子どもの約4倍以上ということも分かった。
(上)日本、タンザニアの紫外線強度の比較。(下左)日本とタンザニアの子どもの眼部紫外線総被ばく量の比較。(下右)日本とタンザニアの子どもの瞼裂斑有所見率の比較。
(出典)http://acuvue.jnj.co.jp/corp/press/p0159.htm
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