MOSCOT(モスコット)の4代目と5代目が来日、100年の歴史や新作classiconic(クラシコニック)について語る
- 配信日 2015.12.11
- 最終更新日 2015.12.14
- さくらヒロシ(メガネ情報サイトGLAFAS編集長)
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アメリカ・ニューヨークのメガネ店・アイウェアブランド MOSCOT(モスコット)の4代目経営者ハーヴェイ・モスコット氏と5代目でチーフデザイナーのザック・モスコット氏が初来日し、12月3日(木)に TODD SNYDER TOWNHOUSE(東京都渋谷区)にてトークイベントが開催された。
メガネライターの藤井たかの氏がインタビュアーを務め、1915年の創業から100周年を迎えた感想、ニューヨークと東京とのトレンドの違い、新作 classiconic(クラシコニック)などについて語り、会場に集まった MOSCOT(モスコット)ファンらが熱心に耳を傾けた。
──創立100年を迎えての感想は?
「“100歳”になったが、今までにないくらいエネルギーにあふれている。次の100年に向けて、さらなる展開をしていきたい。」
──今、ニューヨークで最も流行っている MOSCOT(モスコット)のフレームは?
「一番の人気は、世界でも一番人気の LEMTOSH(レムトッシュ)。続いて、MILTZEN(ミルゼン)と YUKEL(ユケル)もかなり人気を集めている。」
──MOSCOT(モスコット)と言えば、太くてガッシリしたイメージがあるが、ニューヨークでの人気は?
「太くてガッシリなのが、まさにニューヨークという感じ。MOSCOT(モスコット)のショップの顧客は、自信を持っている人が多い。自分の自信を示すために、太くてガッシリしたメガネを掛けているのでないか。」
──太めのクラシックフレームをニューヨーカーはどんな風に掛けているのか?
「MOSCOT(モスコット)のフレームは、時代に左右されないクラシックなものだ。スーツとネクタイでドレスアップしたときも、カジュアルにドレスダウンしたときも、MOSCOT(モスコット)を掛けている。白いTシャツとジーンズにいろいろなアクセサリーを合わせるように、メガネをファッションアイテムの一部としてとらえている。」
MOSCOT: 100 Years of Being Original - YouTube
──日本人が掛けているメガネとニューヨーカーが掛けているメガネに違いはあるか?
「東京ではセル(プラスチック)フレームを掛けている人が多いが、ニューヨークよりも暗くて濃い色のフレームを掛けている人が多いと感じる。ニューヨーカーは、クリアや薄い色のフレームを好んで掛けている。」
──新作 classiconic(クラシコニック)の特徴は?
「classiconic(クラシコニック)とは、classic(クラシック)とiconic(アイコニック)を合体させたもので、ハーヴェイ(4代目)のアイデアだ。クラシックを100年続けてきた MOSCOT(モスコット)にふさわしい言葉だと思う。」
「デザインには、クラシックで MOSCOT(モスコット)を象徴するものを選んでいる。ニューヨークで有名なエンパイア・ステート・ビルやクライスラービルなどモチーフに採用しているのも特徴だ。」
──デザインする上で大切なことは?
「まずは「カタチ」(shape)。次も「カタチ」。そして「カタチ」。それが MOSCOT(モスコット)をデザインする核としているルールだ。」
「アメリカ人だけでなく、世界中の人に掛けてもらえるようデザインしているが、いろいろな顔に似合うメガネを作るのは本当に難しい。」
──ハーヴェイ氏(4代目)やザック氏(5代目)が店頭に立つことはあるのか?
「14丁目とオーチャードストリートのショップとを行ったり来たりしている。なぜなら、顧客の声を聞くことが、とても大事だと思うからだ。顧客の声を直に聞けるのは、とてもいい経験だと感じている。」
(左)4代目経営者ハーヴェイ・モスコット氏
(右)5代目でチーフデザイナーのザック・モスコット氏
──ニューヨークで、しかも家族経営で100年続けてこられた理由は?
「まずは、自分たちに誇りを持ち、先代から受け継いできたものを大切にしている。そして、ピュアな意識とメガネに対する熱い思いではないだろうか?」
「MOSCOT(モスコット)には、5世代に渡って続いてきたリアルな歴史がある。MOSCOT(モスコット)のメガネを掛ければ、その歴史を感じていただけると思っている。まさに MOSCOT(モスコット)は、人と人とがつながるメガネだと思う。」
──100年の歴史の中で、存続の危機は?
「経済的に厳しい時期は、たくさんあった。2代目の時代には世界大恐慌を経験し、9・11テロが起こったワールドトレードセンターは、ショップからわずか数ブロックしか離れていなかった。どんなにつらいときでも顧客を大切にして、困難が去ったら戻ってきてもらえるよう心掛けている。ほかのビジネス同様、絶えず難しい事態があるが、堅くゆっくり自分たちのペースでビジネスを展開している。」
ハーヴェイ・モスコット氏(左)とザック・モスコット氏(右)