大手メガネフレームメーカーの青山眼鏡(本社:福井県鯖江市)は、メガネレンズをキズや熱から保護するガラスコーティング剤「メガブラスコート」がメガネ店向けの業務用として発売を開始した。
メガブラスコートは、硬化ガラスを生成するコーティング剤で、メガネ店がレンズをカットしてフレームに入れたあとに施工する想定で販売されている。JIS規格の「鉛筆硬度試験」で測定したところ、施工後は硬度「4H」に、およそ20~30日後には最高硬度の「9H」以上となるのが確認できており(※1)、キズ付き防止に大きな効果を発揮しそうだ。
また、硬度「9H」となった時点では超撥水性に、その後数ヶ月を経過すると親水性となるので、油分や指紋、化粧品などの汚れが付きにくく、拭き取りやすくなるのも特長。しかも、静電気が発生しないのでホコリが付きにくく、メガネの手入れが楽になりそうだ。
メガブラスコートを施工したレンズは熱にも強く、JIS規格でもある「120度で24時間の耐熱テスト」をクリア。60℃以上になるとコーティングのヒビ割れが生じるとされる従来のメガネレンズに比べて、優れた耐熱性を持っている。
さらに、500グラムの重りを50センチの高さから落下させる耐衝撃試験においても、「衝撃による変形で、コート自体の割れ、ハガレは認められない」という結果を得ており、レンズに割れやヒビが入りにくくなる効果が期待できる(※2)。
(出典)http://www.aoyamaopt.co.jp/news/detail.php?cd=47
すでに数社がメガブラスコートの導入を検討しており、実売予想価格はレンズメーカーのオプションコーティングと同程度の3,000円~4,000円(税抜)。
メーカーの手を借りることなく店頭で、あらゆるメガネレンズに施工できるメリットを活かし、キズやハガレに弱いミラーコートが付いたレンズなどに施工すると特に効果が実感できそうだ。また、防水機能のあるスマートフォンやタブレット端末にも施工できるので、メガネ店の新たなサービスとして広がる可能性を秘めている。
※1:東京都立産業技術研究センターにて実施。
※2:アメリカ「デュボン」社の試験基準を適用し、東京都立産業技術研究センターにて実施。
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「検品の結果は、熱が起因しているものがほとんどでした。」
「高温(60℃以上)にさらされたり、急激な温度差にあうとコート膜がひび割れる原因となります。」