メガネスーパーなどを傘下に置くビジョナリーホールディングスの子会社であるエンハンラボは12月19日(火)、メガネ型ウェアラブル端末「b.g.(ビージー)」の量産デザインを発表した。
b.g.(ビージー)は、メガネスーパーがメガネ専門店として培ってきた技術や経験を活かし、「見え方」と「かけ心地」を追求しているのが特長。今回発表された量産デザインでは、その特長をさらに進化させている。
b.g.(ビージー)着用イメージ
「見え方のクオリティ」を追求して「眼への負担」を減らすべく、b.g.(ビージー)は両眼で見ることができるノンシースルー型の高解像度ディスプレイを採用(※1)。ディスプレイは可動式で、人により異なる瞳の位置に合わせて左右に動かすことで最適な視界が得られるほか、使用シーンに応じてディスプレイの表示位置を上下に変えることもできる。
b.g.(ビージー)はオーバーグラスタイプなので、メガネの上からでも掛けられる。
フレームの設計には、“メガネの聖地”こと福井・鯖江のメガネ作りの技術を活用。弾力性が高く、型くずれしにくいベータチタン素材を使用して、頭を包み込むような形状にすることで、重さを感じづらい快適な掛け心地を実現したという。また、メガネを掛けた上から掛けられるオーパーグラスタイプなので、視力矯正が必要な人でも快適に使えるほか、多くの人と共用するのにも便利だ。
b.g.(ビージー)とスマートフォン・モバイルバッテリーを接続したイメージ
b.g.(ビージー)は、HDMIケーブルを通じてスマートフォンなどと連携し、情報をリアルタイムに表示するディスプレイの役目を果たす。そのため、Wi-FiやBluetoothなどの通信機能やカメラといったスマートフォンなどが持つ機能を活用できるほか、既存のアプリケーション開発環境を使えるので、開発企業の参入障壁が低いのも特長だ。
b.g.(ビージー)と接続したスマートフォン・モバイルバッテリーは、ウェストバッグなどに収納するのもひとつの方法。
また、電力はUSBケーブルを通じてモバイルバッテリーから供給するので、用途に応じて最適なバッテリーを選択できる。さらに、企業からの要望を受けて、屋外での使用を想定した防水機構(IP65を準拠予定)を採用する(※2)。
「- ウェアラブル EXPO —ウェアラブル端末の活用と技術の総合展— | リードエグジビションジャパン」
(スクリーンショット)
エンハンラボは、2018年1月18日(木)から東京ビッグサイトにて開催される「ウェアラブルEXPO」に出展し、b.g.(ビージー)の最新プロトタイプを展示する。その後も量産への準備や、企業との実証実験・開発を進め、2018年2月から先行商品を企業向けに納入する計画だ。
※1:解像度は1,280×960。
※2:防水等級については、「電気機械器具の外郭による保護等級 - Wikipedia」などを参照。
b.g.(ビージー)の活用が期待される分野
エンハンラボによると、メガネ型ウェアラブル端末を使ってハンズフリーで情報を受け取り、業務効率化や生産性向上への強い期待がさまざまな事業で見られるという。「見え方」と「かけ心地」を追求した b.g.(ビージー)の特長が活かされる領域も多いと言えそうだ。
「b.g.(ビージー)」最新商品プロトタイプ
image by ビジョナリーホールディングス
■医療
手術や診療で高解像度の情報をハンズフリーで表示する。
■インバウンド(訪日外国人客)
日本の伝統的コンテンツを楽しむための翻訳機能など。
■製造業
労働力不足・継承者不足の解消に向け、従業員の教育や業務手順の変革に活用して、生産性の確保や業務効率化につなげる。
■物流
倉庫・物流センターなどで伝票やマニュアルの類いをハンズフリーで表示する。
■実証実験の事例