メガネスーパーなどを展開するビジョナリーホールディングスは3月7日(火)、星崎尚彦社長が「一身上の都合」を理由として同日付で辞任したと発表した。
後任の社長には、社外取締役を務めていた松本大輔氏が就任した。星崎氏は同社グループ各社の全ての役職から離れる予定だとしている。
ビジョナリーホールディングスによると、2022年12月下旬に星崎氏が企業価値を毀損(きそん)する行為をした疑いがあるとの情報提供があり、監査等委員が選定した外部専門家に依頼して調査を進めたところ、以下の事柄が認識されたという。
- 同社の業務提携先や取引先が星崎氏の実質的影響力の基に経営されている可能性
- 同社の取締役・執行委員の一部が出資している会社である可能性
- 同社グループの利益に反する可能性のある行為
この認識を受け、ビジョナリーホールディングスは、有識者からなる第三者委員会を設置し、調査を実施する。この調査に時間を要することから、3月17日(金)に予定していた2023年4月期第3四半期決算発表を延期することを決めた。
「ビジョナリーホールディングス」
(スクリーンショット)
星崎氏は、1966年生まれ。東京都出身。1989年に早稲田大学法学部卒業後、三井物産に入社。1999年にスイスのIMDビジネススクールでMBA取得し、三井物産を退社。以後、フラー・ジャコージャパン、ブルーノマリジャパンなどの代表取締役を務める。2012年、アパレルメーカー「クレッジ」の経営再建では1年半でV字回復を達成した。
そうした手腕が評価された星崎氏は、2013年7月にメガネスーパーの社長に就任。経営改革を進め、2016年4月期に9期ぶりに黒字化を達成した。2017年11月には、メガネスーパーの完全親会社としてビジョナリーホールディングスを設立し、持株会社体制に移行している。
ビジョナリーホールディングスでは、、2014年6月に「アイケアカンパニー宣言」を掲げて以降、日本人の眼の健康寿命を延ばすことを目指し、以下のアイケアサービスを展開している。これらのアイケアサービスが、同業他社に対する大きな強みとなっている。
- 視力だけでなく生活環境や目の調節力(ピント合わせ能力)も考慮した「トータルアイ検査」
- 見るチカラに影響する緊張状態をほぐし、検査の精度を向上させる「アイケアリラクゼーション」
- 色覚特性(かつての色盲・色弱)を補正する「色覚特性対応レンズ」
- 業界最高クラスで購入後のサポートを提供する「HYPER保証システム」
- メガネを最適な状態に調整する「パーフェクトフィッティング」
- 月額1,000円の定額制でフレーム・レンズが交換し放題。視力の変化や紛失、破損などに対応する「こども安心プラン」
- 自宅や施設などで店舗と同様のサービスを提供する「メガネと補聴器の出張訪問サービス」
トータルアイ検査で本当に合うメガネをあなたへ メガネスーパーCM30秒バージョン - YouTube
加えて、アイケアサービスをさらに充実させた「次世代型店舗」を開発。2017年11月にオープンした高田馬場本店を皮切りに、既存店の「次世代型店舗」への移行を精力的に進めている。
2018年8月には、TOM FORD(トム フォード)や CELINE(セリーヌ)、BALENCIAGA(バレンシアガ)など、世界トップブランドの日本総代理店であるVISIONIZE(ヴィジョナイズ)を子会社化した(下記リンク参照)。
星崎氏の経営スタイルは注目を集め、多くのメディアで取りあげられていた(下記リンク参照)。
- V字回復メガネスーパーが「大手リラクゼーション店」になる日:日経クロストレンド
- 会議はノンストップ10時間 休憩時間なし メガネスーパー社長 鬼の経営 前編 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
- 「俺がやる」メガネスーパー社長の実行力1
- 【トップ直撃】メガネスーパー星崎尚彦社長 再建へ視界良好 物産退社時は勘当同然… (1/3ページ) - 経済・マネー - ZAKZAK