公益財団法人日本デザイン振興会は10月16日(水)、2024年度グッドデザイン賞の受賞結果を発表した。
2024年度グッドデザイン賞は、5,773件の審査対象の中から、1,579件が「グッドデザイン賞」を受賞した。この中には、さまざまな分野で特に優れたデザインとして高く評価された「グッドデザイン・ベスト100」の100件も含まれる。「ベスト100」からは、最高賞である「グッドデザイン大賞」の候補となる「グッドデザイン金賞」20件をはじめとした特別賞が計32件選ばれた。
あわせて、長年にわたり支持され続けてきた商品などに贈られる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」12件も発表された。
この記事では2024年度グッドデザイン賞の受賞対象の中から、メガネ、サングラスに関連する受賞対象をまとめてご紹介する。メガネ、サングラスに関連する受賞対象のうち、1件が「グッドデザイン・ベスト100」を、1件が「グッドフォーカス賞 [技術・伝承デザイン]」を受賞した。
Eyewear
Hibāng Re-Fishing-Net Circular Eyewear – Mountain Series
2024 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象の詳細
Hibāng Mountainシリーズ・アイウェアは、廃棄された漁網から再生されたナイロンフレームを使用している。ネジのないデザインで、テンプル、ノーズパッド、フレームなどのパーツを工具なしで簡単に交換できます。クイックリリース機能は利便性とファッション性を高め、ミックス&マッチでトレンディなスタイルを可能にします。モジュール設計により、パーツの交換が簡単で、アイウェアの寿命を延ばし、持続可能性を促進します。
デザインのポイント
- Screwless modular design allows tool-free part swapping. Eyewear lifespan extended by user repair.
- Made from recycled Nylon sourced from discarded fishing nets. reducing carbon emissions by over 80%.
- A system to recycle eyewear at end-of-life. Trade in old eyewear for remelting into new material.
デザイナー
Shih Hsun Ou
詳細情報
価格
3,480TWD
背景
In 2020, Taiwan's Ocean Conservation Administration removed approximately 41,000 kilograms of marine debris from the waters of 6 counties, with discarded fishing nets comprising 89%. Originally tools of hunting, these nets have morphed into formidable undersea hazards, surpassing even straws and plastic bags in their threat. In Taiwan, nearly 80% of individuals suffer from nearsightedness. Approximately 30% acquire new glasses annually, with 60% upgrading every two years, indicating a concerning pattern of usage and disposal. Hibāng has partnered with a plastic manufacturer to recycle nylon from these discarded nets, aiming to elevate the value of re-nylon material and thus increase the recycling rate of abandoned fishing gear.
経緯とその成果
Duolog Design began researching recycled materials from discarded fishing nets in 2018. In 2021, we founded the Hibāng brand and launched the first generation Re-Fishing-Net Eyewear. Within just two months, it earned NT$2.6 million in sales, winning multiple international design awards. Immediately, we began developing the second generation, overcoming material constraints. This included a screwless modular dovetail design and an innovative independent nose pad design for a more comfortable fit. Upon its October 2023 release, it achieved over NT$2.4 million in sales.
どこで購入できるか、どこで見られるか
評価コメント
漁網をリサイクルした樹脂を使用するなど、社会課題の解決に積極的に取り組んでいる点で評価は高い。ただ、それ以上に製品の完成度が素晴らしい。スクリューレスではめ込む構造は非常に簡単でありながら確実で、脱着時の感覚も心地よい。その機構から、色の組み合わせを楽しんだり、必要なところだけ交換修理できるなど、結果的に製品寿命も長く保つことができる。多くの特長を持ちながらも、フレームデザインは奇を衒わず、シンプルで好感の持てる現代的なフォルムであり、商品コンセプトを体現している。秀逸で素晴らしい製品とともに、息の長いブランドとして成長することが期待できる。
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メガネ型ウェアラブルデバイス
オートフォーカスアイウェア ViXion01
2024 グッドフォーカス賞 [技術・伝承デザイン]
受賞対象の詳細
デジタル技術で個人の目の見え方に合わせてピントを調節し、スムーズなオートフォーカスを実現するアイウェア。眉間にある距離センサーが自動で対象物までの距離を測定し、内蔵の直径約6mmの小さな特殊レンズが形を変えることで、外界を直接見るためにピントを合わせる。弱視や老眼、近視など、様々な目の課題を持つ方に利用されている。
デザインのポイント
- 利用者の視力に合わせて、見え方を最適化するキャリブレーション機能
- 自動でレンズの厚みを変え、瞬時にピントを合わせるオートフォーカス機能
- 重量を最小に抑えつつ、長時間利用も可能なかけ心地を実現したフレームデザイン
プロデューサー
ViXion株式会社 代表取締役社長 南部誠一郎+株式会社0100010 佐藤剛史
ディレクター
ViXion株式会社 取締役 内海俊晴+有限会社 nendo 代表 佐藤オオキ+株式会社0100010 鹿間葉月
デザイナー
ViXion株式会社 取締役 内海俊晴+有限会社 nendo 鈴木祐人+今井英里香
詳細情報
価格
99,000円
背景
デジタル化が進んだことにより、近視が世界的に増えている。その要因としては慢性的な疲れ目や、近くのものを見続けることによる目のレンズ調節機能の低下がある。ViXionは目のピント調節機能をオートフォーカスが担うため、眼筋の疲れを軽減する可能性があると考えられ、目を休める時間としての役割も担う。VRゴーグルなどデジタル技術を用いたエンタメアイガジェットが市場に増える中、”見える”ことの課題解決に特化したアイウェアと言える。また、高齢者や後天的に目の課題や障害を持った方々は、見えないことで仕事ができなくなったり、本を読まなくなることで認知症につながるケースがある。こうした目に課題を抱える方々のライフスタイルを変えることで、豊かな人生を送る手助けがしたいと考えている。
経緯とその成果
日常生活でストレスなく使っていただくことを念頭に置き、近くと遠くを連続的に見る際にスムーズに調節されるオートフォーカス技術の開発を重視しました。焦点距離は5cmから無限遠までピントを合わせることができます。また、バッテリーの許容量は10時間とし、1日3時間程度の利用で1週間充電なしで使える容量を基準にしました。このバッテリー容量を保ちつつ、掛け心地を最適化するためにバッテリーとデジタル機能を右ツルに集約し、左ツルは頭とのフィッティングに特化した左右非対称なデザインとすることで、55gという軽量化を実現しました。一方で、「オートフォーカスアイウェア」という新しいカテゴリの開発として、初見で新規性とインパクトが感じられるデザインを採用しました。
どこで購入できるか、どこで見られるか
家電量販店、ViXion オンラインストア
評価コメント
遠近を連続的に見れる、オートフォーカス機能を革新的なデジタル技術を用いて実現し、「眼鏡」という道具に対してパラダイムシフトとなる、新たな価値を誕生させる可能性が高く評価された。視力に着目した身体拡張デバイスは初の試みとして、現在は眼球サイズのレンズ開発段階にあり、今後一般的な眼鏡サイズのレンズを開発するという将来を見据えた展望にも大いに期待できる。
メガネ
MAXIS MXU-221
受賞対象の詳細
製造時やリサイクル時の環境への負荷に配慮したメガネです。製造工程を見直し、CO2排出量を抑える事にチャレンジしました。また、耳掛け部の先端(円柱部分)がレンズとバランスを取ることで快適なかけ心地を生み出しています。次の世代へと続く持続可能なものづくりを模索し、日常を豊かにするデザインを目指しています。
デザインのポイント
- プレス工程や表面処理によるカラーリングを見直し、製造時とリサイクル時のCO2排出量を抑えました
- 3種類のチタンの仕上げ方法と、生分解性プラスチックを組合せてバリエーションを展開しました
- 使用する素材を絞る事で、分解して各パーツごとに容易にリサイクルができるようにしました
デザイナー
株式会社エクセル眼鏡 デザインチーム
詳細情報
価格
オープンプライス
背景
自分たちの会社・製品を通して、SDGsに貢献できる事はないかと考え、この商品をデザインしました。1905年から福井県鯖江市で続いてきたメガネづくり。200から300もの工程を経て、丁寧につくられるメガネ。その歴史の中で、いつの間にかあたりまえになり、疑う事を忘れていないか。今一度、製造工程をゼロから見直し、環境に配慮したものづくりをしていきたいと考えました。
経緯とその成果
製造工程と表面処理工程を見直しました。まず耳掛け部の円柱形状についてです。チタン部品は、スウェージング加工→プレス加工という流れが一般的ですが、この円柱状のデザインはスウェージング加工だけで作られているので、製造時のCO2排出量を抑える事ができます。また、このデザインはおもりのような役割も担っていて、レンズとの重量バランスをとって、快適なかけ心地を生み出します。次に、表面処理工程についてです。金属に表面処理をする主な目的は、色をつける「カラーリング」と、腐食や傷から守る「コーティング」の2つです。しかし、チタン素材は腐食や傷に強いのでコーティングは必要ありません。表面処理をしない事で、製造時のCO2排出量を抑えたメガネをつくりました。 表面処理をしない事はリサイクルにも有益です。リサイクル時に表面処理をはがして素地の状態に戻す工程が必要なくなり、CO2排出量を抑える事ができます。
どこで購入できるか、どこで見られるか
GG291(東京都港区南青山)、MEGANE MUSEUM(福井県鯖江市)、その他全国のメガネ店
評価コメント
無垢のチタンと綿花由来のアセテートという限られた素材の組み合わせのみで、シンプルでありながら、魅力あるデザインバリエーションを展開している。一般的に中間処理加工として使用されるスウェージングのディティールが、製品の快適なフィッテングへとつながっている点が高く評価された。製造工程と表面処理工程の丁寧な見直しによって、環境負荷への配慮を実現するという、真摯な製品作りの姿勢を評価したい。
眼鏡
フリップオン
受賞対象の詳細
ネジレス跳ね上げフレーム。 特許を取得したネジ無し構造で一体感があり、正面から見た時にダブルフレームに見えにくい、違和感のない跳ね上げメガネフレームです。 またサングラスや老眼鏡などに展開し、幅広いシーンに応えられるブランドにしていきたい。
デザインのポイント
- 特許取得のスクリューレス新構造でスッキリとした違和感のない見た目を実現
- 丁番部にネジが不要であるため、パーツ点数を抑えて生産の無駄を無くし効率化を図れた
- ネジレスで、フロント枠を湾曲させヒンジ片の軸孔に軸部を挿入するだけでフロント枠の取り付けが容易である
プロデューサー
株式会社ハグ・オザワ 商品企画部 廣辻 丈治
ディレクター
株式会社ハグ・オザワ 商品企画部 廣辻 丈治
デザイナー
株式会社ハグ・オザワ 商品企画部 廣辻 丈治
価格
20,000円 〜 22,000円
背景
従来の跳ね上げ式メガネフレームには課題がありました。フロント枠をフロントバーに跳ね上げ式で取り付けるデザインでは、ヒンジ部分に大きな隙間ができてしまいます。この隙間によって、レンズの位置がフロントバーから離れやすく、一体感が損なわれてデザインに違和感が生じがちでした。 本発明はこれらの課題を解決します。フロントバーへのフロント枠の取り付けが簡単で、部品数も抑えられます。さらに、違和感のないコンパクトなフレームデザインを実現できる新しい跳ね上げ式メガネフレームを提供します。フロントバーとフロント枠の一体感を高め、スマートな印象を与えるのが特長です。
経緯とその成果
丁番部分に厚みを持たせないよう工夫しました。クリアランス(すき間)を作らないように配慮しました。その結果、ネジレスの構造に行き着き、この商品が生まれました。手元が見えやすくなるシーンだけでなく、サングラス仕様として、また老眼鏡として、レンズを一時的に跳ね上げて使用するシーンは多く、世代問わず喜ばれる商品として展開させていきたい。
どこで購入できるか、どこで見られるか
全国の眼鏡小売店
評価コメント
跳ね上げ式フレーム自体は珍しいものではないが、どうしても構造上、可動部が煩雑になり、特に目線を合わせるメガネという製品では気になりやすい。この製品はその問題点を、ネジをなくすことで限界まで寸法を抑え、通常のフレームのようなすっきりとしたフォルムにまとめて解決している。日本の技術力を活かし、各社極小のネジでヒンジ部を構成していたが、この製品ではさらにもう一歩先に進めて、スクリューレスとした点が革新的で、今後のスタンダードにもなりうる改善点であろう。
眼鏡用カラーレンズ
フィジカルサポートカラー
受賞対象の詳細
周囲の光環境の変化で身体の不調を感じる方が一定数おられることから、心身の不調と好調は光の波長が影響し、関係していると考えられる。 可視光線に起因する潜在的要因を掘り起こし、カラーレンズ装用時の身体機能の変化を自覚することが可能になることで、健康で快適な生活をサポートすることを目的とするプロダクトです。
デザインのポイント
- 「色の種類」「色の濃度」を調整して各個人別に必要とする波長領域のカラーレンズを作成できる
- 身体反応を確認しながらカラー選別を行うので、カラーレンズ装用時の身体機能の変化を自覚できる
- 仕事用からスポーツ向けサングラスフレームなど使用目的に合わせたカラー濃度、フレーム形状での作成が可能
ディレクター
株式会社Innochi 代表 灰谷孝
デザイナー
エスエイビジョン株式会社 営業企画 坂谷大輔
詳細情報
価格
オープンプライス
背景
高齢化が進む日本においては「健康寿命」を意識する機会が増えてきています。 カラーレンズで身体機能が向上するということはアスリートのパフォーマンス向上やけがの予防に期待ができ、高齢者のフレイル予防の観点では、易疲労性の改善や歩行時の安定性の向上など、非常に有用なものと期待できます。 「簡単」に、かつ「安全」で、どこでも、だれでも装用(常用)することができるメガネですが、従来のカラーレンズの提案は、シチュエーション別や、光学的な理由が主たるものでした。色による心理的な効果が知られるようになっておりますが、「色の波長」による身体的な変化も研究により明らかになりつつあります。
経緯とその成果
長時間のPC作業や職場の照明環境が原因での身体の不調や、時間帯による光環境の変化によって感じる不快感、運転時などの状況では安全性の低下を感じる方が多くおられます。しかし、光の変化によって感じる眩しさや身体の不調、不快感を解消する方法として、仕事中にカラーレンズを掛けていると、まだまだ偏見の目で見られたり、場違いだと批判されたりするのが現状です。光の波長によって身体機能が変化することや、身体の不調や不快感の解消のためにカラーレンズを使用することの必要性に理解が深まることで、 職場や学校、公共機関でカラーレンズを当たり前に掛けて仕事をし、話題になるような多様性に寛容な社会を実現することを目標とします。
どこで購入できるか、どこで見られるか
全国のPhysical Support Color®取扱店 2024年4月現在 国内113店舗
KODAK KolorUP Lens Physical Support Color - YouTube
評価コメント
フィジカルサポートカラーは、身体のバランスや機能変化を確認しながら、その人に適したレンズカラーを選定するプログラム。視覚から入ってくる色の情報が人の感情や気分のみならず、身体の柔軟性や呼吸の安定などパフォーマンスにも大きな影響を与えている。しかもそれぞれの色の与える効果は人によって変わってくる。ストレスの多い現代社会において、人の気持ちやパフォーマンスを色の力でポジティブに向上できる知見は、社会認知を拡げる必要性を感じるとして高い評価を集めた。社会にその有用性をどんどん提示していって欲しい。
保護めがね
SN-610
受賞対象の詳細
作業現場では顔と保護めがねの間の少しの隙間が大事故につながりかねません。しかし1つの定まった形状の保護めがねで多様な顔形状に隙間なくフィットさせるのは困難を極めます。新しい機能と技術を盛り込むことで眼を飛来物等から護りつつ、一日中ストレスなく掛け続けられる、全く新しい保護めがねを実現しました。
デザインのポイント
- レンズ上部に軟質素材のトリム構造を盛り込む事で「防護性能」と「フィット感」の両立を実現。
- 鼻の高さや耳位置の個人差に対応する角度調節機能や、高いホールド力を持つ薄型テンプルの搭載。
- 新開発のくもり止めコーティング「PAF」で高いレンズ防曇性能を誇り、作業者の安全と快適を確保。
プロデューサー
山本光学株式会社 代表取締役 山本直之
ディレクター
山本光学株式会社 セフティ&レーザーオプト事業部 神田昇
デザイナー
山本光学株式会社 商品企画部 スワンズクリエイティブセンター 生田稔/山本光学株式会社 設計部 浅田真孝
価格
オープンプライス
背景
保護めがねの必須条件として挙げられるのが「防護性能」です。そして1日を通して掛け続ける必要があるため、フィット感を始めとする「快適性」が重要となります。作業現場の環境は多岐に渡り、飛来物、飛沫、粉塵等からしっかり眼を護る必要があります。そうした要因から従来保護めがねに搭載されてきたのが、「レンズ一体型ひさし形状」。しかし我々はレンズ一体型ひさし形状には2点問題があると考えました。1つは、レンズと一体の硬質素材であるため、額の形状とひさしの形状が合わなければ大きく隙間ができてしまう事。2つ目は、レンズ-ひさし断面がL字となり構造的に強度が出てしまい、顔に沿ってたわんでくれなくなってしまう事によるフィット感の悪さです。またレンズ内面が曇ってしまう事による視界不良も快適性を追い求める上では改良の余地がありました。
経緯とその成果
眼を護る「防護性能」と1日掛け続けられる「快適性」の両立を3つのアプローチで実現しました。 ① レンズ上部に軟質素材のトリムを勘合させることにより、額との隙間を遮蔽し、防護性能が向上。また「レンズ一体型ひさし形状」とは異なり、トリム部が軟質なことによってレンズがたわみます。それにより顔に沿ってフロント部が変形し、フィット感が大きく向上。 ② テンプルに角度調節機能を搭載。顔形状の個人差が理由で、1つの定まった形状の保護めがねでは「フィットしている」「保護できている」と言える範囲の人が限られていました。しかし、この角度調節機能を設けることにより、頬骨の高さや額の形状、耳位置の高低に関わらずフィット感と保護の両立を確立。 ③ 新開発の曇り止めコーティング「PAF」を搭載することで明瞭な視界を提供。レンズの傷つきにくさも確保しつつ過酷な環境下においても継続的・長時間の使用にも耐える快適性が実現。
どこで購入できるか、どこで見られるか
全国のホームセンター等、YAMAMOTOオンラインショップ
評価コメント
保護めがねが必要とされる作業現場は実に様々であるが、市場に出回っているものの多くが正面からの飛来物に特化したものである。本製品は特にレンズ上部の隙間からの危険をスマートに回避している点が評価された。そして樹脂成形品の特徴を活かした各パーツ類は、複雑な機構がないながらも幅広いサイズや形状の顔や頭部に自然とフィットするものになっている。軽量であることや装着している際の美しさも、長時間装着を必要とされる作業者にとってはストレスを軽減させる大事なポイントである。
AR glasses
MYVU
受賞対象の詳細
MYVUは、業界初の樹脂導波路素材を採用し、長時間の装着を可能にした画期的なARスマートグラスです。そのフォルムはFLOWの美学にインスパイアされ、自動車グレードのカーブが流麗でエレガントな外観を呈するようにデザインされている。ARスマートグラスにより、携帯電話、自動車、日常生活の様々なシーンでシームレスな接続を実現します。
デザインのポイント
- The first-ever use of resin waveguide material only weighs 43g, the lightest of the kind.
- The integration of automotive-grade curve contributes to an elegant and fluent form of the product.
- With FLyme AI model, user can indulge in a fresh interaction via the AI voice assistant or ring.
プロデューサー
HUBEI XINGJI MEIZU GROUP CO.,LTD.
ディレクター
HUBEI XINGJI MEIZU GROUP CO.,LTD.
デザイナー
Wen XU 、Jia ZENG 、Xiangrong ZHANG 、Chaoyang WANG、Zhe LI 、Ruoxue YANG、Huilin HUANG、Kai YANG 、Qing PANG 、Qien CHEN
価格
53,800JPY
背景
In the course of human development, the pursuit of intelligent and efficient living has remained constant. AR, among other technologies, has been changing our lives. AR glasses, as a tech consumer product, have proven strong attributes, yet they have not integrated into our routines. MEIZU makes keen observation to pinpoint design challenges in the field of AR glasses. Initially, the MEIZU design team aimed to incorporate AR glasses into every aspect of our lives. Through the utilization of technology, manufacturing processes, design, and ongoing innovation, we have successfully introduced MYVU, a new generation of smart AR glasses, which marks a significant milestone in the mass production of resin diffraction optical waveguide materials within the consumer electronics industry.
経緯とその成果
MYVU follows an automotive-grade curved design with light and shadow effect, and its form is designed in respect of eyeglass frame, nose-rest bracket, sunglasses lenses, and myopia lenses. The Mg-Al alloy frame, complemented by trendy CMF color and eco-friendly tortoise shell ornaments, makes an appealing AR smart product. Weighing only 43g, it is the lightest of its kind globally, and the adjustable nose-rest bracket ensures a comfortable and ergonomic wearing experience. The voice assistant can be activated through voice commands. The synchronized display of instructions allows us to free up hands. MYVU leverages AR glasses as a gateway to seamlessly engage in users' lives, enabling multi-dimensional connectivity between smartphones, cars, and more.
評価コメント
ARテクノロジーを自然に日常生活に溶け込ませるデザインが実現された。エレガントで流麗なフォルムは、一般的な眼鏡との違和感を最小限に抑え、印象はファッションアイテムの領域に入っている。業界初の樹脂回折光導波路材料の採用による軽量化は、長時間の快適な装着を可能にし、テクノロジーの存在を意識させず、違和感なくARテクノロジーを活用できる。これらの要素が融合し、ユーザーにより自然で受け入れやすい使用体験を提供している。
グラス型XRデバイス
MiRZA XRD-T01
受賞対象の詳細
どこでも気軽に利用できるグラス型XRデバイスです。 日常的に使用できる外観、装着感を重視したフィッティング性、快適な操作性にこだわりました。 同時に多様なユーザニーズに応えるためにオープンな開発環境を利用して、アプリケーションやサービスの拡張が可能になっています。
デザインのポイント
- 気軽に使用していただくためにフィッティング性を重視しつつコンパクトな外観を実現
- XRコンテンツを直感的に操作できる、シンプルなUIを追求
- エンドユーザーのビジネスに合わせたサービス開発環境への対応
プロデューサー
株式会社NTTコノキューデバイス
ディレクター
株式会社NTTコノキューデバイス 技術企画部 松本吉哉/商品企画部 小木曽敦/設計開発部 桂敬二
デザイナー
株式会社NTTコノキューデバイス 商品企画部 淺野達哉、西立司/設計開発部 山岡英司
詳細情報
価格
248,000円 (希望小売価格、税込)
背景
昨今、ワーク・ライフスタイルの多様化が進み、業務や生活の環境を向上させる技術としてXRが注目されています。 我々はデザイン性や取り回しがよく、長時間利用を実現させる、どこでも気軽に利用できるグラス型XRデバイスの開発に挑戦しました。 デザインを一般的なメガネに近づけ、ワイヤレスでスマートフォン接続し、長時間利用しても疲れにくいような外観とフィッティング性の両立を目指しました。 またアプリケーションやサービスの開発環境が機種独自になることによる展開力の不足を克服しようと考えました。 本デバイスにより、ユーザーのワーク・ライフバランスを支える一助となることを目指しています。
経緯とその成果
メガネ型デザインに仕立てるため、両サイドの内部構造をフラットに配置し、フロントと共にリジットフレキシブル基板とすることで、見た目のボリューム感を低減しました。 更に、この構造により熱を効率的に逃がしつつ、メガネに近い前後重量比とすることで快適な装着感を実現しています。 フィッティング性についてはワンサイズで様々な人に対応できるように、可変式の鼻当てとアーチ形のサイド形状を採用しました。 操作性の観点では、XR空間上のポインタを操作するのに、スマートフォンを振って操作することが一般的ですが、タッチパッドのスワイプでも操作できるモードの搭載や、スマートフォンの画面上によく使う機能をボタンで配置するなど、手数が少なくなるように配慮しました。 またオープンな開発環境を利用して、ユーザニーズに応えたアプリケーションやサービスの拡張が可能で、持続可能なXR価値を提供可能にしています。
どこで購入できるか、どこで見られるか
Amazon 、ドコモショップ、ドコモオンラインショップ、法人販売代理店
評価コメント
スマートフォンの次の身近な情報機器として注目されているXRグラス。まだまだ発展の余地は多分にあり、性能、大きさを中心に各社鎬を削っている。そのような状況の中、本プロダクトは、いずれ避けては通れないかけやすさ、操作性、ファッション性について、ユーザーセンタードの立場から、眼鏡作製技能士の知見を取り入れつつ、実直にデザインを積み重ねており、その姿勢は高く評価できる。まだ荒削りの部分はあるものの、本プロダクトに採用されている鼻当ての無段階調整機構、視力矯正用のレンズシステム、タッチパッドによるスワイプ入力など、今後のXRグラスデザインに多くのヒントを与えるに違いない。
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